シーメンス、イスラエル企業に投資 〜 サイバー・セキュリティー事業を強化

 独シーメンス(Siemens)のベンチャー・キャピタル部門は、イスラエルのサイバー・セキュリティー関連新興企業のサイアクティブ(CyActive)に投資することを明らかにした。投資額は非公開。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2013年設立のサイアクティブは2014年初めに、エルサレム・ベンチャー・パートナーズ(Jerusalem Venture Partners)とネゲブ・ベングリオン大学(Ben-Gurion University of the Negev)が支援する新興企業インキュベーターであるサイバー・ラブズ(Cyber Labs)への参加が認められたことで注目された。

 サイアクティブは、サイバー攻撃のリスクが高い工業分野の企業や公益会社を標的市場とする。

 サイアクティブの技術は、独自のアルゴリズムを使って既存の破壊工作ソフトウェアを、考えられるすべての可能なフォーマットに変化させるというもの。それによって将来の攻撃を予測し阻止する。

 サイアクティブのリラン・タンクマン共同創業者兼最高経営責任者(CEO)によると、同社のアルゴリズムは生物学的知見を参考に開発された。

 同社のソフトウェアは、アルゴリズムを使った予測にもとづき3〜5年先の攻撃やウイルスを阻止する検出器によって構成されるため、ソフトウェアを定期的に更新する必要がない。

 シーメンスは現在、自社のサイバー・セキュリティー・システム向けにサイアクティブのソフトウェアを検証する最終段階にある。最終的に、同システムをシーメンスの工業分野の顧客に提供する考えだ。

 サイアクティブは、シーメンスからの調達資金を米国および欧州における事業拡大にあてる予定で、まずはドイツに事務所を開設する計画だ。

 サイアクティブは、シーメンスからの投資を受け入れることによって、シーメンスの工業界主要企業顧客との取り引きや、先進サイバー・ソリューションに関する知識と設計および導入経験からも利益を得られる、と期待している。

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