米国初のビットコイン取引所がオープン 〜 コインベース、約半数の州で展開

 コインベース(Coinbase)は26日、仮想通貨のビットコイン(Bitcoin)向けに米国初の認可取引所「ビットコイン・エクスチェンジ(Bitcoin Exchange)」を開設した。

 同社は、ニューヨークとカリフォルニアを含む米国半数の州政府規制当局から認可を取得しており、当面はそれらの州でのみ事業を行う計画だ。

 コインベースは、ニューヨーク証券取引所や銀行、著名なベンチャー・キャピタル企業から総額1億600万ドルの資金を調達している。同社は2012年6月にシリコン・バレーで設立された。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、コインベースは事業保険に加入して、投資家たちからの預り金が消失しないことを保証する。

 ビットコインをめぐっては、2014年に日本の取引所マウントゴックスの破たんで約5億ドルが消失し、1月初めにはスロベニアの取引所ビットスタンプ(Bitstamp)がハッキング被害を受けるといった事件が続いている。

 ビットコインの価値は2013年末に1200ドルを超えたのを最後に下降し、現在は約240ドルで取引されている。

 暗号化通貨の専門家はコインベースの新取引所について、「極度に不安定」というビッドコインの問題に対処するために必要だと指摘する。

 コインベースによると、同社は取引額の1%未満程度を手数料としてトレーダー(投資家)たちから徴収する。取引所利用は当面、米国の利用者に限定されるが、将来には米国外に拡大する計画もある。

 一方、連邦準備制度理事会を含む金融規制当局はビットコインに対する監視を強化している。

 ニューヨーク州金融サービス省は、州内でデジタル通貨サービス提供を目指す企業に「ビットライセンス(BitLicense)」の発行を検討中だ。

 ニューヨーク州の規制は他州の模範になるとみられており、そういった規制の広がりはビットコインの信頼性向上に寄与する可能性がある。

 ビットコインの価格を追跡するコインデスク(Coindesk)によると、ビットコインでの決済を受け付ける企業の数は過去12ヵ月で倍増し8万2000社に増えている。現在は32億ドル分のビットコインが流通しているとみられる。

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