スマート建物のVC投資が再び活発化 〜 ネストやオーパワーが勝ち組の事例に
- 2015年2月9日
- 環境ビジネス
建物の省電力化やエネルギー効率化を支援する技術の分野で、ベンチャー・キャピタル(VC)投資が再び活発化している。
クリーン技術への投資は数年前に活況したあと下火状態が続いていた。2011年夏のソリンドラ倒産は、クリーン技術業界の投資ブームの終焉を象徴する出来事だった。
シリコン・バレーの大手VCであるクライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズは、特に大きな打撃を受けた。フィスカー・オートモーティブ(Fisker Automotive)やミアソーレ(MiaSole)といった投資先が倒産し、数億ドルの損失を計上した。
しかし、テッククランチ誌によると、効率化技術の分野は最近、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)にも助けられる格好で息を吹き返している。
クライナー・パーキンスも、グーグル(Google)に32億ドルで買収されたネスト・ラブズ(Nest Labs)や、2014年4月に上場したオーパワー(Opower)への投資で成功を収めた。
「多くが失敗に終わった第一波の投資では、エネルギー生成の中核にある物理学的な技術開発が中心だった」「(今回は)ほとんどのベンチャー投資が自動化システムやデジタル・ソフトウェアに流れている」「それらはそもそも、ベンチャー投資家が精通し得意とする分野だ」と、商業建物の効率化プロジェクトに対する融資の仕組みを提供しているノエシス(Noesis)のスコット・ハーモン最高経営責任者(CEO)は話す。
テッククランチのデータによると、IoTとスマート建物の新興企業に対するベンチャー投資は近年、安定して成長してきた。同分野への投資は2014年に、クリーン・エネルギー分野全体の投資の40%を占め、2012年の20%から拡大した。ネストやオーパワーに代表されるスマート機器やサース(SaaS=software-as-a-service)の企業がその動向を率いている。
世界の建物自動化および制御市場は2020年までに550億ドルに達すると予測される。家庭用分野ではネストが強い地位を築きつつあるが、商業建物分野の勝者はまだ明確ではない。資金繰りのモデルにおける課題が、これまでのところ幅広い普及にいたっていない一因だ。
照明制御検知器と分析プラットフォームを開発するエンライテッド(Enlighted)は、これまでに5500万ドル以上のベンチャー投資を調達し、商業建物分野で名を挙げる可能性がある。同社はこれまでに121件の顧客を獲得した。そのなかにはフォーチュン500企業の50社も含まれる。
ノエシスは、ソーラーシティーのリース契約モデルを模倣し、建物の効率化プロジェクトに融資の仕組みを提供している。現在150社以上と協力して融資を提供しており、提案プロジェクトの金額は年間11億ドルにる。
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