トラック駐車場不足が深刻〜路肩などでの仮眠増え危険に

 長距離トラックの駐車スペースが不足しており、疲れたドライバーが休息できずに運転を続ける、または不適切な場所に停めて仮眠するといった安全問題が懸念されている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、連邦道路管理局(FHA)の最新調査で、運転手の75%以上および企業の輸送担当者の約66%が「休憩できる安全な駐車スペースを見つけることが難しい」と考えていることが分かった。夜間こうした駐車スペースを見つけることに苦労しているという回答は90%を占めた。

 このため非公式または不法な駐車スペースを利用することも多く、48州の安全当局者はその場所を知っており、11州では11カ所以上あると認めている。

 臨時の駐車場所のうち、50%近くはフリーウェイ(自動車専用道路)のランプ(出入口)、27%はフリーウェイの路肩、20%は駐車場だった。路肩など違法な駐車の取り締まりは、運転手が疲れたか、法定距離を走った後に駐車場が見つからず仕方なく停車している事情が推測される上、運転手を起こして別の場所に移動させることにも危険が伴うという問題がある。

 駐車場不足が最も深刻なのは、ニューヨーク、ペンシルベニア、ニュージャージーを含む大西洋岸中部で、ニューイングランド、中西部と続いた。この問題には、責任の所在を連邦政府や州政府、トラック会社、荷主など1つに絞り込めないという難しさもある。

 調査で特定された駐車スペース30万9000台分のうち、88%は公共の休憩施設ではなく民間のトラック休憩所にあるが、運営業者は需要や不動産コストの問題のほか、区画規制や環境規制に抵触する場合も多いため駐車スペースの拡張は難しいと回答しており、夜間にトラックが止まる場所が増えることを望まない地域も多い。

 駐車場不足は国内経済が改善すると同時に悪化しており、8時間の運転ごとに30分、11時間の運転ではそれ以上の休憩を義務づけた法律が2年前に導入されたことも問題を深刻にしている。米国トラック協会(ATA)によると、2014年のトラックによる貨物輸送量は99億6000万トンに上り、売上高は7004億ドルの貨物輸送市場の80%を占める。貨物量は向こう11年間に約29%増加すると予想されている。

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