首相、批判の幕引き狙う 秋の外交で巻き返しも
- 2015年9月18日
- 日本発ニュース
【共同】安倍晋三首相は安全保障関連法案を早期に成立させ、渦巻く政権批判の幕引きを図りたい意向だ。秋に相次ぐ国際会議で日本の安保政策に理解を求めるとともに外交成果を重ね、求心力回復を狙う。だが自衛隊活動の拡大で日米同盟を深化させる裏返しとして、米国から国際貢献への圧力が強まる懸念もくすぶる。
菅義偉官房長官は18日の記者会見で「安保法案の成立により、わが国は積極的平和主義の下で国際社会の平和と安定に貢献する」と力説した。念頭にあるのは、野党などの「戦争法案より外交努力が必要だ」との指摘だ。政権側は北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出を踏まえ「法案がもたらす抑止力が、国民の安全や外交成果につながる」(外務省幹部)と主張する。
国会審議を終えれば、首相は9月下旬の国連総会や11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などに臨み、関係国に安保法案への理解を求める方針。10月末にも日中韓首脳会談を実現し、関係改善を印象付けたい思惑だ。しかし「海外の評価をてこに国民理解を獲得する」(官邸筋)とのもくろみが奏功する保証はない。
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