健康関連の献金情報を開示〜コカ・コーラ、5年で1億ドル支出

 コカ・コーラは、米国で過去5年間に1億1860万ドルを健康関連の調査研究や提携事業に投じたことを明らかにした。どんな健康促進団体を支援しているかなどに関する透明性を高める取り組みの一部だという。

 AP通信によると、ニューヨーク・タイムズはこの8月、コカ・コーラが「人々の肥満対策意識が運動ではなく食べる量に向きすぎている」という考え方を広めようとする健康団体グローバル・エナジー・バランス・ネットワーク(GEBN)を経済的に支援しているという詳細な記事を掲載し、コカ・コーラに非難が集まった。

 このため同社は「さまざまな健康促進事業やメッセージへの支援に関する透明性を高める」と公約。北米コカ・コーラのサンディ・ダグラス社長は「肥満問題に対する当社の取り組みが信用されていないことが分かったため、改善しなければならない」と話していた。

 健康・栄養の専門家の間では「食品会社が運動量を増やす必要性を語ることで自社商品への批判をかわそうとすることはよくある」との見方がある。コカ・コーラのウェブサイトに掲載された情報によると、同社は2010年以降、科学的な研究に2180万ドルを投じたほか、GEBNのほか一般大衆と共通した見解を持つ数十人の栄養士への献金を含む保健関連提携事業に9680万ドルを投じている。

 サイトはキーワードや年度で提携事業や調査研究活動を検索できるようになっており、金銭的支援の対象には、肥満協会や米国糖尿病協会も含まれている。オタワ大学の栄養・肥満問題専門家ヨニ・フリードホフ氏は、今回の情報開示である程度の透明性が提供されるようになったが、献金先の団体から何を見返りに得たかが分かるとは限らないと指摘した。

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