家庭用蓄電システムを開発するドイツのソネン(Sonne)は、米国市場での最初の1000台をカリフォルニア州サンノゼの工場から出荷した。
グリーンテック・メディアによると、同社はドイツの家庭用蓄電システムで強固な立場を築いており、それを米国市場に波及させたい考えだ。米国ではテスラ(Tesla)が競合社となり、ソネンではそのテスラに先駆けて出荷することに重点を置いていた。
ソネンのマティアス・ブロック広報担当によると、ソネンバッテリー(SonnenBatterie)は年内に設置できる見込みだ。
一方、テスラの広報担当者は、パワーウォール(Powerwall)の最初の製品を「北米とオーストラリア、ドイツ、オーストラリア、スイス向けにすでに出荷した」と説明している。いつから設置できるようになるかは明らかではないが、オーストラリアでは2016年2月からと報道されている。
ブロック氏によると、ソネンバッテリーの米国内での価格は9900ドルで、同等の欧州向け製品に比べて745ドル安い。2.5キロワット、4キロワット時のリン酸鉄リチウム電池、インバーター、制御ソフトウェアが含まれる。
パワーウォールは、3.3キロワット、10キロワット時の装置で3500ドルだが、それは設置業者向けの卸売価格で、インバーターと制御ソフトウェアは含まれていない。
テスラの設置業者となるソーラーシティーは、パワーウォールにインバーターと制御装置を加えて7140ドル、または9年間のリースで5000ドルという価格を提示している。そのため、価格競争力では、パワーウォールの方がソネンバッテリーより強いと言える。
しかし、ブロック氏は、10キロワット時のパワーウォールは週1回の放充電周期を想定して設計されており、寿命は500周期前後であるのに対し、ソネンバッテリーは少なくとも1万周期の寿命がある、と説明する。
そのため、ソネンバッテリーと同等のテスラ製品は3.3キロワット、7キロワット時の製品だとブロック氏は考えている。その製品は卸売価格が3000ドルだが、米国向けに販売されていないため、価格の比較は難しい。
オーストラリアでは、7キロワット時のパワーウォールの小売価格は、インバーターと設置サービス、消費税込みで1万3990豪ドル(1万45米ドル)だ。それだと、米国のソネンバッテリーより1000ドル前後安いことになる。
ソネンは米国で30社の販売代理店網をすでに構築しており、2016年の販売見通しを「数千台」と見積もっている。
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