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日本へ一時帰国スペシャル
案外成田が面白い!
文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)
- 2014年7月20日
煩悩消滅いい湯だな!
腹ごしらえが済んだら、新勝寺へ。
江戸歌舞伎の立役者、初代・市川團十郎は跡継ぎに恵まれずにいたが、ここで祈祷して2代目を授かった。それが市川家が「成田屋」を名乗る所以となった。「海老蔵・真央」のカップルも、折にふれてお参りにくる。
不動明王をまつる本堂では、朝から赤々と火が燃えている。ここでは開山以来、毎日、「御護摩」(見学は無料)が続いている。時間になると、家内安全や商売繁盛を祈願にくる人でいっぱいに。炎は、不動明王の智慧の象徴だ。その火で、煩悩(=護摩木)を焼きつくし、願いが成就するよう祈る。
境内には、海外からの観光客も多かった。コインロッカー代を節約したのか、スーツケースを仲良くひきずって、お参りしている外国人カップルもいた。
日本は昨年、「年間の訪日客1千万人」という政府目標を達成した。最近、新勝寺がタイの人気ドラマのロケ地になった影響からか、タイやマレーシアから成田を訪れる観光客が増えているそうだ。
新勝寺では座禅(無料、要事前予約)や写経(千円から)も体験できる。東京滞在の最終日に、あるいは成田空港での乗り継ぎの待ち時間を使って、JAPANな体験をしたいという旅行者には便利だろう。
広い新勝寺だが、その奥にさらに大きな「成田山公園」が広がっている。滝や池、文学碑を眺めながら歩く。絶好の散歩スポットだ。サクラ、ツツジ、モミジと、四季それぞれに「花見」も楽しめる。池に浮かぶ御堂を独り占めして、寝転んでいる外国人もいた。俳句でも読んでいるか、それともただ昼寝しているか ──。
旅のしめくくりは、「成田ビューホテル」の温泉へ。空港の夜景を遠くに見ながら、黒めのお湯に浸かる。短期の日本帰国では、いつもなかなかゆっくりできない。アメリカに帰る前、ちょっとした安らぎの時間を、成田が与えてくれた。
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