アメリカ エネルギーロードを往く
ニューメキシコ編

文&写真/水島伸敏(Text and photos by Nobutoshi Mizushima)

 

実験用に建てられた各社のソーラーファーム(ロスアラモス) Photo © Nobutoshi Mizushima

実験用に建てられた各社のソーラーファーム(ロスアラモス)
Photo © Nobutoshi Mizushima

 タオスに向かう途中、ロスアラモスの街に寄った。実はこの街で、2012年から2年間ほど日本の大手企業や政府が協力して日米共同の一大エネルギープロジェクトが行われていた。このスマートグリッドプロジェクトに参加したアメリカ側の責任者の一人、ジュリアンさんに話を聞かせてもらった。

 ロスアラモスの住人の協力で、スマートグリッドハウス(Smart grid house)やスマートメーター(Smart meter)を使ったいくつかの実験が行われた。その一つは時間別の値段設定やフラットレートなど、どのようなプランが一番家庭のエネルギー消費と家計を抑えるか、という研究だった。この実験は一人一人のエネルギーに対するマインドの向上にも繋がったという。

 プロジェクトのメインとなったスマートグリッドハウスとは、設置された太陽光パネルとバッテリーにより、そのエネルギーを余すことなく使い、あとの時間は、他の最適なエネルギーを自動的にコンピューターが選択するといったシステムだ。そして、その結果、環境にも良くなるという優れものなのだ。このシステムは今、ニューメキシコでは空港や大学ですでに実践され、私たちの生活とエネルギー問題の両方を支え始めている。

 ジュリアンさんが言うには、近い将来、世界中の街にこのような設備が必要になるという。無駄なエネルギー消費を抑え、環境にもいい街づくりという素晴らしい構想。そして、今回のようなプロジェクトの成功を通して、日本の企業や政府が世界をリードすることになるという。

 実験のために設置された1Mwの太陽パネルやバッテリーが残っていた。これらの設備やスマートメーターはこれからも各家庭で使われていくらしい。ここまで大規模なスマートグリッドの実証実験は日本ではまだ行われていない。どうして国内でやらなかったのだろう。日本の名だたる大企業が日本の製品をつかって実験するのに、なぜアメリカの政府やこの街の協力が必要だったのか。このプロジェクトには莫大なお金が日本政府やそれら企業から流れているのも事実だ。結果がどうであれ、何かはがゆさも残る。
 


 

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