第47回 卒業までのカウントダウン

文&写真/福田恵子(Text and photo by Keiko Fukuda)

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 ニナは6月15日に無事に中学校を卒業した。卒業までは各種の行事が目白押し。5月23日は卒業式に先駆けた表彰式が放課後、中庭で開催された。表彰の対象となるのは皆勤賞、GPA4.0のオールAのプレジデンシャルアワード、オールAに次ぐ優秀な成績のオナー、学校の環境保護に努めるグリーンチームやボランティアサークルのメンバーだ。中庭には生徒100人分、保護者100人分ほどの椅子が置かれていた。小学校以来、不思議なのは、アメリカの学校の保護者参加の行事が平日の昼間に行われること。参加率の高さを見る限り、子どもの行事のためなら親が会社を休むのも許されるようだ。さて、表彰式が始まると、壇上では次々に生徒の名前が呼ばれ、各自ベルトコンベヤー式に校長先生から表彰状を受け取った。ニナはボランティアチームには所属していず、体調不良で1日早退したので皆勤賞もなしだったが、3年連続でプレジデンシャルアワードをいただいた。よく頑張った。

 6月3日は卒業ダンスパーティー。多くの生徒が楽しみにしていたイベントだが、ニナは一切関心を示さず不参加。兄のノアの時もそうだった。他方で彼女が楽しみにしていたのは、ナッツベリーファームへの遠足。5年前のノアの時は確か行き先はディズニーランドだったはずだが、ディズニーの入場料の値上がりが原因か? しかし、ここでもちょっと不思議だったのが園内で遊べる時間があまりにも短いこと。9時に学校をバスで出発し、10時の開園と同時に入園。2時にはナッツを出て3時に学校到着というスケジュール。せっかく遊園地に行くのだから夕方まで遊ばせてあげたいと思うが、これはおそらく引率教師を残業させないためではないか、と推測している。結果的にニナが乗れた乗り物は4つだけだったらしい。それでもナッツ名物のペロペロキャンディーとジャム入りのクッキーをお土産に大満足で帰ってきた。

「最も芸術的」賞に選出

 遠足の少し前には、イヤーブックを持ち帰った。この中でもユニークな企画が生徒投票によるベストスチューデントの選出だ。カテゴリーは16種類あり、2人ずつ選ばれる。一般的なカテゴリーとしては「モストアスレティック(最もスポーツが得意)」「ベストミュージシャン」、ユニークなところでは「モストライクリートゥサクシード(最も成功しそう)、「キューティストカップル」なんていう、まさにキュートな賞もある。その中でニナは友達のルイスと一緒に「モストアーティスティック(最も芸術的)」という賞をもらった。いつもイラストを描いているニナ。友達に似顔絵を描いてほしいとリクエストされるニナ。好きで得意なことが周囲の友達に評価されたことを親としても心から嬉しく思う。

 イヤーブックのホワイトスペースに書かれる友達からのメッセージには、「私こそがベストアーティストに選ばれるべきだったのに」というものがあった。アメリカらしく率直で可愛らしい。

 そして6月15日は、進学先レドンドユニオン高校の講堂を会場にした卒業式。私はママ友のアドバイス通り、前日に蘭のレイを買って冷蔵庫に保存してから持参した。卒業式は1時間半。終了すると私もニナも疲労感に襲われた。式自体の疲れと言うよりも3年間の疲れ、かもしれないと思うほどの倦怠感。夏休みは日本でリセット、新たな気持ちで高校生活のスタートだ。

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福田恵子 (Keiko Fukuda)

福田恵子 (Keiko Fukuda)

ライタープロフィール

東京の情報出版社勤務を経て1992年渡米。同年より在米日本語雑誌の編集職を2003年まで務める。独立してフリーライターとなってからは、人物インタビュー、アメリカ事情を中心に日米の雑誌に寄稿。執筆業の他にもコーディネーション、翻訳、ローカライゼーション、市場調査、在米日系企業の広報のアウトソーシングなどを手掛けながら母親業にも奮闘中。モットーは入社式で女性取締役のスピーチにあった「ビジネスにマイペースは許されない」。慌ただしく東奔西走する日々を続け、気づけば業界経験30年。

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