飲酒運転による
非移民ビザの取消しにご注意!

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

pexels-photo-67088

アメリカ国務省のビザオフィスは、ビザ発行後にビザ保持者が飲酒運転で逮捕された場合、ビザを取消すよう領事館へ指示を出しました。新たな要件として、例え有罪判決が下されなかったとしても、飲酒によるすべての逮捕歴がビザ申請の一部として審議されなければならないことになります。

では、なぜ飲酒運転がビザ取消しにつながるのでしょうか。 これは、飲酒運転が、移民法212条(a)(2)(A)(iii)項に規定される危害を加える行為を伴う恐れがある身体的もしくは精神的障害による入国拒否に当てはまるという理由からになります。これにより、過去5年間に1回でも飲酒運転により逮捕された場合、もしくは過去10年間に2回以上の飲酒運転による逮捕歴がある非移民ビザ申請者に関しては、ビザを発給する前に、医師による診断を受けなければなりません

これまで、飲酒運転での逮捕による発行済のビザの取消しは、通常の手順ではありませんでした。以前は、飲酒運転の逮捕があったとしても、ビザ保持者の次のビザ更新までは、影響しませんでした。しかし、今後は、ビザが発行された後でも、ビザ審査官は飲酒運転の逮捕や有罪判決によりビザを取消すよう義務付けられました。

ビザの取消により、強制送還されるということにはなりませんが、逮捕後にアメリカを出国した場合は、再入国時に深刻な問題となる可能性があります。アメリカでの手続き上、逮捕された際にお住まいの警察により指紋採取が行われますが、その逮捕記録が国務省の職員へ通知されます。それにより、国務省はビザ保持者のビザを取消す義務が発生します。

重要なポイントは、ビザが取消されても、現在のアメリカでのステータスへの影響はありません。つまり、ビザの取消によりアメリカを出国しなければいけない義務は発生しないわけです。しかし、ビザ取消後に、アメリカを出国した際に、同じビザでアメリカに再入国することができません。また、逮捕後すぐに出国し、国務省に逮捕歴の通知が何らかの理由でなされていないうちに再入国できたからといって、その次にも同じように再入国できるとは限りません。再入国するためには、再度、自国へ戻り大使館・領事館にて新規にビザ申請を行い、新しいビザが発行されなければなりません。またビザ面接の際には、逮捕に関する説明が求められるでしょう。

*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
  2. この号が出る頃、私とニナは日本での3週間の滞在を終えてアメリカに戻っているはずだ。ニナにと...
  3. 2022年10月7日

    森英恵の反骨精神
    裏庭の蝶 ファッションが好きな女性はたくさんいるだろう。私もその一人だ。休日の気晴らしは以前...
  4. およそ2000人の作業員により、6年間で建設されたリドー運河 カナダの首都オタワと、5大湖の...
  5. 本特集は一般的なケースの情報提供を目的としたものです。特定事例におけるアドバイスが必要な場合は、専...
  6. 2022年8月11日

    有名人の親に学ぶ
    日本でも動画を撮影。シオンさんは右から2人目 写真提供:シオン・カジ 先日、超有名キッズユー...
  7. 2022年8月9日

    遊び上手
    独断と偏見だが、アメリカ人の良いところは遊び上手なことではないだろうか。日本人の若い方々は...
  8. カナダの東部、大西洋上に浮かぶニューファンドランド島。この島の西岸に位置するグロス・モーン国立公園...
ページ上部へ戻る