合法移民として米国に住んでいるものの、お金が不足しているために納税者に負担をかける可能性がある外国人を対象とする、新しい規則が発表されました。毎年、数十万人の移民が合法的に米国に入国し、その後、永住者になるための申請を行っています。今回の新規則の対象者です。
政府は今年10月より、永住権取得の制限をするため、移民が自分自身を金銭的に支える手段を持っているかどうか判断するテストを実施する予定です。フードスタンプ(食料支援)や住居支援などの政府給付プログラムを使用する可能性が高いとみなされると、それら「貧しい移民」のグリーンカード申請は拒否されます。公的扶助を必要としないであろう裕福な移民は、グリーンカードを取得できます。政府は、現在のグリーンカード保持者や特定の軍人、難民や亡命者、妊婦やこどもには新規則は適用されないと述べています。
トランプ氏は長い間、「メリット」のみに基づいて移民を歓迎すべきだと主張してきました。また、貧しい国や発展途上国から移民を米国に入国させるという考えを軽んじていました。今回の新規則は、トランプ氏の優先事項を制定する試みでしょう。金銭的に苦労している移民は拒否し、経済的手段を持っている移民のみを受け入れることにあります。これにより、アフリカ、中央アメリカやカリブ海の貧困地域から米国に避難しようとする移民に影響を与えることは確かです。
新しい規則の下では、合法的に一時的ビザで米国にいる移民がグリーンカード申請をする際に、彼らの経済力がより厳しく審査されます。移民の年齢、健康状態、家族の地位、資産、財政状態、教育などが考慮されるでしょう。しかし、その移民が将来、公的扶助を必要とする可能性があるかどうかの判断については、審査官に幅広い裁量の余地が与えられます。審査官の判断でグリーンカード申請を拒否し、移民に国外追放を命じることができてしまうのです。
この複雑な規則はトランプ政権にとって、米国に住んで働くであろう人々のデモグラフィックを狭める強力なツールとなるでしょう。政府によると、米国は「ニーズを満たすために公的資源に依存する」人々ではなく、自分自身を支援できる移民を望んでいるのです。
移民支持団体はこの発表に怒りを露わにしています。この残酷な政策により、すでに多くの移民が住宅や医療給付を放棄し始めていると主張しています。米国に合法的に住んでいる移民でさえも、政府給付プログラムを使用することで自身の移民ステータスに与える影響を心配しているのです。過去数カ月の間に、何万人もの人々がこの規則に反対しました。移民支持団体は、規則の発効を阻止するために訴訟を起こすと宣言しています。
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