今回は誤解が多いアメリカでの滞在期間についてのコラムとなります。ご存知の方も多いと思いますが、ビザの期限が有効であってもその日まで滞在を許可されたわけではありません。アメリカへビザ免除プログラムで来られる方も、有効なビザで入国される方も、アメリカでの滞在期間について、きちんと理解しておきましょう。
まず、ビザ免除プログラム (ESTA) は、有効なパスポートを所有し、アメリカでの滞在が90日以内、滞在目的が短期商用・観光であり、その他のビザ免除プログラムの要件(犯罪歴や過去の不法滞在の有無など)を満たす方が利用できるシステムです。これは、ビザ免除プログラム対象国の国籍を持つ者が対象となります。ESTAを利用するためには、渡米前に電子渡航認証システムの承認を受ける必要があります。渡米前にESTAの申請を行っていない場合、航空会社により空港にてESTA承認を完了させるよう言われます。たとえ搭乗が許可されたとしても、アメリカの通関手続きで入国に大幅な遅れが生じたり、場合によっては入国拒否となったりする可能性もありますので、必ず旅行前にESTA承認を終えましょう。
ビザをお持ちの方はESTAの申請は不要です。しかし、ビザはアメリカへの入国を自動的に保証するものではありません。ビザはアメリカへの入国許可を申請する査証であり、実際の入国の可否は、空港やその他の国境にて配置されている国土安全保障省の税関・国境取締局の職員が決定します。また、彼らはビザの期間に関係なく、あなたの滞在期間を決めることができます。職員がパスポートに押す楕円形のスタンプに、入国日、入国区分、そして許可される滞在期間が記載されます。ビザの有効期間よりも滞在可能期間が短いこともありますので、しっかり確認する必要があります。
学生ビザ(F-1ビザ)や交流訪問者ビザ(J-ビザ)等をお持ちの方は、D/S(Duration of Status)と書かれることもあります。これはフルタイムの学生でいる期間、またはDS2019(Jビザ)の有効期間中は滞在できるということです。記入ミスも多いので、入国区分等の情報の誤りに気付いた場合は直ちに訂正のお願いをしましょう。許可された滞在期間を超えて滞在してしまった場合、不法滞在(オーバーステイ)となり深刻な法的問題へと発展するリスクがあります。将来の再入国への影響、またはビザの取得資格を喪失することにもなりかねません。
※本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。
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