グループ全体のビジネスコンテンツを
日系企業のグローバリゼーションの共通インフラに
- 2017年10月1日
- 2017年10月号掲載
TOP INTERVIEW Vol.8
アメリカ市場に勝負を賭ける日系企業のトップに聞く。
JAN (Japanese Assistance Network), Inc.プレジデント
Relo Redac, Inc. ディレクター
佐々田大樹 / Taiki Sasada
人事・総務関連業務のアウトソーサー
リログループは1967年創業、人事・総務関連業務のアウトソーサーに特化してまいりました。創業事業は転勤留守宅管理事業です。転勤者は転勤中の持ち家管理が悩みの種でした。日本では借主の立場が強いので、赴任期間が終わって日本に戻ってきても、せっかくのマイホームに住めないことが多くありました。
そこで、借主と「一時使用契約」を結び、リロが転貸することで帰国後すぐにマイホームに戻れるシステムを確立しました。それ以外にも1993年には、大手企業のように会社の保養所を持っていない企業でも保養所利用やホテル料金の特別割引といったベネフィットが受けられるように、企業会員を対象とする福利厚生倶楽部を、2005年には海外赴任人事業務のアウトソーシングサービスを立ち上げました。
ようこそ日本株式会社
私はというと、2005年にグローバル人事のアウトソーシングビジネスを手掛ける“ようこそ日本株式会社”を立ち上げました。日本に赴任する海外からの駐在員のために、ビザの取得や不動産業者の紹介など、多様な手続きをサポートする仕事です。こういったビジネスを思いついたのは、ハワイに留学していた経験が根底にあります。留学当初、英語も現地の事情も分からず苦労した自身の体験から、反対に海外から日本に来る非日本人の方は、より困り事が多く、ニーズがあるのではないかと考えたのです。起業したのは25歳の時でした。そして4年後にその仕組みごとリログループに入社しました。
在外公館への時間外電話対応
アメリカ赴任は2015年からです。今年の4月には、4年前にリログループの傘下に入ったJAN(Japanese Assistance Network)の代表にも就任しました。現在籍を置いているリロリダックは、ニューヨーク本社をはじめとする全米13カ所に拠点を置き、米国に進出される日本企業、駐在員の皆様のニーズにお応えするためにリロケーションサービスを展開しています。また兼任しているJANは、もともと日本人が海外で困ったときの通訳サービスとしてその存在が知られておりました。「あんしんサービス」は、海外在住者のために日本語オペレーターが24時間待機している電話通訳サービスで、現在3500世帯のお客様の“言葉の保険”となっております。たとえばメキシコでは、家庭でお肉を注文するような時にもJANのスペイン語通訳をご利用いただくことがあります。このように普段から気軽に利用いただくことで、いざという緊急時でも、電話をかけやすい環境を提供しています。それに加え、世界各国の在外公館の時間外対応も一任されています。
就任以降、よりワンストップで企業人事総務担当者や駐在員、またその家族を包括的にサポートできるよう、リロリダックもコンテンツを組み合わせ、商品開発を進めております。グループの総合力を生かし、より多くの日系企業のグローバル化を支援していきたいと考えています。
ロンドンでのサービス開始
この度リロリダックはロンドンに進出しました。それに伴いJANもロンドンでのサービスを開始し、今後も対応地域を拡大していく予定です。グループ全体でのコンテンツやエリアを増やしていくことで、日本企業のグローバリゼーションの共通インフラになることが我々グループのミッションです。
中学高校時代のハワイ留学の経験をもとに、海外から日本へのリロケーションサービス、“ようこそ日本株式会社”を2005年創業。4年後にその仕組みごとリログループに持ち込む。現在は海外子会社、アメリカの駐在員への不動産仲介などのリロケーションサポートを行うリロリダックのディレクターと、海外での通訳サービスを提供するJANの代表取締役を兼任。リロリダックの本社があるニューヨークとJANの本社があるロサンゼルスを行き来する多忙な日々を送る。
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