第10回 19世紀から21世紀へGO
イリノイ州

文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)

レンガとライムストーンの建物が並ぶガリーナの町をトロリーバスで走る
Photo © Michiko Ono Amsden

19世紀に迷いこむ
かわいいガリーナの町

広いアメリカ、まだ知られていない旅先を紹介していく本シリーズ。今回はイリノイ州で、ミシシッピ川にほど近いチャーミングなガリーナの町からシカゴへと時間を飛び越えたような感覚の旅を紹介する。ガリーナは、ミシガン湖畔のシカゴから車で約3時間。周辺は、緑豊かなミシシッピ・パリセード州立公園、4つのチャンピオンコースを持つゴルフ場のイーグルリッジリゾート、ワイナリーにウィスキーの醸造所など楽しめるスポットが豊富。そして、何より「ここは19世紀?」と思えるような古きよきアメリカそのままの雰囲気が漂うダウンタウンの散策がおすすめだ。何といっても、このダウンタウンに並ぶ建物の85%は国家歴史登録財というのだから。50ドル札で拝顔できる南北戦争の英雄で第18代アメリカ合衆国大統領でもあるユリシーズ・グラントの家など、見どころを回るには赤くてかわいいトロリーバスに乗る「ガリーナ・トロリー・ツアーズ」が便利。

宿泊は、ダウンタウンにある1855年開業の歴史を誇るデソトハウス・ホテルや、元刑務所を改築したというユニークなB&B「ジェイル・ヒル・イン」、周辺のリゾートホテルなどバラエティに富む。「ジェイル・ヒル・イン」は、1878年から1977年までジョーディビス刑務所として使われていた建物。それを購入してB&Bとして生まれ変わらせたのは、まだ30代という若さのガリーナ出身のマシュー・キャロル氏。6室ある客室のインテリアはすべて異なり、絵や置物など小物まで凝りに凝っていて、そこに住んでいるかのような気分になれそう。ホームメイドのパンがおいしい朝ごはんは秀逸だ。

朝からキッシュに果物に焼きたてパンと、家庭料理が並ぶ「ジェイル・ヒル・イン」
Photo © Michiko Ono Amsden

20世紀から現代まで
シカゴの街は名建築の展覧会

「ショアライン・サイトシーイング」の建築クルーズ。
次から次へ登場する名建築のビル群
Photo © Michiko Ono Amsden

 ガリーナから、ミシガン湖畔のイリノイ州最大の街シカゴへ(ちなみにイリノイ州の州都は、リンカーンの眠るスプリングフィールドだ)。ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ国内3番目の大規模都市で金融の要としても知られるシカゴは、1871年の大火で大部分が焼失して再生した街。当時のシカゴの新たな街造りは“建築の実験場”と呼ばれるほど、手を差し伸べた建築家たちによって最新の建物が造られていった。シカゴ川沿いに建つトウモロコシのような形のマリーナシティや、バウハウス最後の学長であるミース・ファン・デル・ローエによる鉄とガラスのIBMビルなど。この名建築の展覧会を川をクルーズしながら見て回れるのが「ショアライン・サイトシーイング」だ。この水上から見たシカゴの建築の美しさはまた格別。昼に夜にクルージングを催行する「オデッセイ・クルーズ」のディナークルーズで夕景に浮かび上がるビルのシルエットは心に残る。

「オデッセイ・クルーズ」は、水曜と土曜の夜に約3時間の花火ディナークルーズも
Photo © Michiko Ono Amsden

■ガリーナ・トロリー・ツアーズ Galena Trolley Tours Factory
http://www.galenatrolleys.com
■ジェイル・ヒル・イン Jail Hill Inn Factory
https://jailhillgalena.com
■ショアライン・サイトシーイング Shoreline Sightseeing
http://shorelinesightseeing.com
■オデッセイ・クルーズ Odyssey Cruises
https://www.odysseycruises.com

取材協力 ミシシッピ・リバー・カントリーUSA https://mrcusa.jp

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小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

ライタープロフィール

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ。旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、翻訳多数。日本旅行作家協会会員。

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