第9回 「川とチーズとビール」
ウィスコンシン州

文&写真/小野アムスデン道子(Text and photos by Michiko Ono Amsden)

 

地元の人も多い店内。チーズのほかにアイスクリームも名物
Photo © Michiko Ono Amsden

 

名産のチーズと
ラクロスゆかりの町

広いアメリカ、まだ知られていない旅先を紹介していく本シリーズの第9回は、ウィスコンシン州。州都でウィスコンシン大学のあるマジソンやハーレーダビッドソンの本社(ハーレーダビッドソン・ミュージアムには、名車の数々、東日本大震災で流れ着いたハーレーなどが展示され、とても興味深い)のあるミルウォーキーは、名前も知られていると思うが、今回はミネソタ州から入り、ミシシッピ川が一望できる絶壁「グランダッド・ブラフ」のあるラクロスの町へ行く。

途中に立ち寄った「ネルソン・チーズ・ファクトリー」は、100年余にわたってチーズを造っていたが、今はもう工場ではなくウィスコンシン州のチーズを中心に世界中のおいしいチーズやワインなどを売るグルメショップだ。チーズは同州の名産。もちもちのチーズカード(ミルクを酵素で固めたフレッシュチーズの一種)が売られているのは新鮮でおいしいミルクがあるがゆえ。

ラクロスは、あのスティックを使ってボールを奪い合うスポーツ“ラクロス”のことである。この辺りに住んでいたネイティブアメリカンが儀式の際に使って踊ったり、遊んだりしていたスティックを、フランス人入植者がキリスト教のクロス(Crosse:十字架)に似ているとして、定冠詞Laをつけてラクロスと呼んだのだ。現代のスポーツ競技になったのはカナダ人によるのだが、ここも町の名が示すとおりルーツの場所の一つである。

 

ランチを楽しみながらゆっくり進むクルーズもある
Photo © Michiko Ono Amsden

そんなラクロスからは、ミシシッピ川に浮かぶ外輪船「ラ・クロス・クイーン号」に乗って、のんびり食事をしながら川を眺めて2時間ほどのクルーズを楽しめる。

ドイツ移民が伝えたビール
ナショナルミュージアムも

ウィスコンシンとは、ネイティブアメリカンの言葉で“水の集まる所”というだけあって、ミラー・ビールの本社のあるミルウォーキーなど、ドイツ移民によるビール造りが昔から盛んだったのも有名だ。ラクロスの醸造所シティ・ブルワリーには世界最大のシックスパック(6缶セット)のモニュメントが立っている。

 

世界最大の6パック。通常のビール缶734万缶分!
Photo © Michiko Ono Amsden

ラクロスから川に沿って南に下ったポトシの町には、おいしい地ビールを造る「ポトシ・ブルワリー」がある。1852年に創業し、一時、操業停止をした時期もあったが2008年に復興。そして、ここには「ナショナル・ブルワリー・ミュージアム」もあって、醸造所見学と共に、アメリカ中西部のビール造りの歴史や膨大なビールの容器などのコレクションが展示されている。

ミシシッピ川沿いに下ったウィスコンシン州は、チーズやビールを楽しみながらの、のんびりした旅ができる。

 

ポトシ・ブルワリーで案内してくださった方は、なんと元ポトシ市長
Photo © Michiko Ono Amsden

 

■ ネルソン・チーズ・ファクトリー Nelson Cheese Factory
https://www.nelsoncheese.com
■ ラ・クロス・クイーン号 La Crosse Queen Cruises
http://www.lacrossequeen.com
■ ポトシ・ブルワリー Potosi Brewery
http://www.potosibrewery.com(博物館の情報も同HP内)

取材協力 ミシシッピ・リバー・カントリーUSA https://mrcusa.jp

Universal Mobile

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

小野アムスデン道子 (Michiko Ono Amsden)

ライタープロフィール

世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドを行き来しつつ、世界あちこちにも飛ぶ。旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、翻訳多数。日本旅行作家協会会員。

この著者への感想・コメントはこちらから

Name / お名前*

Email*

Comment / 本文

この著者の最新の記事

関連記事

Universal Mobile
資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 自動車保険への加入はアメリカのほとんどの州法で義務付けられていますが、the Insuran...
  2. ニナが進学したカリフォルニア大学からは、「ペアレントナイト」といったタイトルのバーチャルイベ...
  3. ワシントン州の北西部、オリンピック半島に位置するオリンピック国立公園。約100万エーカーもの...
  4. 気温の上昇とともに紫外線量も多くなる春先は、メラニンが過剰に生成され、日焼け、シミ、そばかす...
  5. 2021年4月6日

    じゃあ、またね
    私たちは皆それぞれ趣味を持っている。コロナ禍の巣ごもり生活の間に、鉢植えやベランダ菜園を始め...
  6. No.1 グレイシャー国立公園 Glacier National Park モンタナ州 ...
  7. 今、「代替食品」への関心が世界中で急速に高まっている。今回、一個人の探究心から始まり、斬新な...
  8. ルイジアナ州の北東、延々と広がる田園風景の中に、ぽつりと静かに佇む遺跡がある。かつてアメリカ...
ページ上部へ戻る