CPTとOPT(アメリカの学生のための労働許可)の違いとは? PART 1

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 今回は、CPTとOPTの違いについて2回に分けてご紹介します。学生ビザ(F1ビザ)でアメリカに滞在している学生は、Practical Trainingを利用して専攻分野に関係ある仕事に就き合法的に働くことができます。有効なF1ビザを持っている学生は、在学中にCPT(カリキュラム・プラクティカル・トレーニング)を使って労働することが可能なのです。また、学校を卒業した後には、OPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)を使い労働することができます。CPTとOPTはどちらも労働を許可するものですが、大きな違いがあります。今回のPART 1では、CPTについて説明します。

CPT
(Curriculum Practical Training)

 F1ビザを持つ学生がインターンもしくはCo-Op(就業体験プログラム)として働くためには、CPTと呼ばれるものを取得します。これは学生が在学中にインターンシップなどをするための労働許可です。学生が専攻しているプログラムの一環としてのインターンシップですので、通常、それが単位となるようなプログラムを受講している必要があります。CPTは教育機関が発行しますので、USCIS(移民局)への申請は必要ありません。教育機関がCPTを承認すると、学生が所持するI-20の裏に会社の名前、開始・終了日、留学生担当事務所の指定職員の署名が記載されます。それぞれの教育機関によってCPTに関する方針が違うので、留学生は通っている教育機関の留学生担当事務所に相談してください。また、書類審査にかかる時間もそれぞれの教育機関によって異なりますので、雇用主もプロセスにかかる時間の目安を確認しておくといいでしょう。

 CPTを申請するには、まずフルタイムの学生として2セメスター(1学年分)以上を終了すること、もしくは一定の単位を取得することが条件です。CPTを使用しての労働は、学期中は週20時間までに限られます。秋休みや夏休みなど学校が休みの時期は、フルタイムで働くことができます。

 CPTが許可される期間は大学によってルールが異なりますが、基本的には1学期(1セメスター)から364日までとなります。ここで注意していただきたい点は、CPTをフルタイムの労働で365日使ってしまうと、後にOPTを取得することができなくなるということです。ですので、卒業後にOPTの申請をしたい方は、CPTを365日使いきらないよう注意しましょう。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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