SHOEI SAFETY HELMET CORP.
アメリカのビジネスは、今

今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。


カリフォルニア州タスティンにオフィスを構えるSHOEI SAFETY HELMET CORP.のプレジデントMoichi Tsuzukiさんに話を聞いた。2019年よりHiroshi Maedaさんが後任としてプレジデントを務める。

アメリカでの事業内容

弊社は主に二輪用のヘルメットを日本で生産し世界で販売しています。米国での販売は代理店を通して行っており、こちらのオフィスではマーケティング、リサーチ、カスタマーサービスを担当しています。

SHOEI製品の強みはクレームと返品が少ないことです。基本的に一度手元から離れた商品は戻って来ませんので、米国オフィスもたった5人でカスタマーサービスを対応することが可能なんです。また、返品で戻ってくる商品の半数ほどが「落としてしまったがまだ使用可能か調べてほしい」というインスペクションの依頼。ヘルメットは中に入っている発泡スチロールが潰れていくことで衝撃を吸収するのですが、潰れてしまうと元に戻りませんので基本的に一度ぶつけると使用することができません。ただ、バイクの上置いたものが転がって落ちてしまった程度では問題ない場合が多いため、見た目からは判断できない性能部分を検品専任スタッフが診断し、使用可能か判断した上でお客様にお返ししています。
Shoei

気をつけていること

日本流を押し付けない
アメリカで現地社員に心地良く働いてもらうために気をつけていることは、日本流を押し付けないことです。例えば有給休暇の申請は、他のものとコンフリクトがなければ理由も聞かずに許可するようにしています。アメリカでは普通ですが、弊社の有給消化率はかなりいいですね。消化しきれていないのは私だけです(笑)ありがたいことに多くのスタッフが長く務めてくれており、長い社員は勤続16年にもなります。

言葉選び
年度末の評価時に1対1で面談をする際は、母国語ではない言葉でセンシティブな会話をしなくてはいけません。日本語でも同じですが「そんなつもりではない」という伝わり方をしてしまうことがあるので、言葉選びには非常に気を付けています。また、勉強して身につけた英語だけでなはなく、文化や歴史、政治などの知識がないと同じ土俵で会話ができないんですね。
Shoei

日米のデザイン

日本語が書かれているティシャツを着ている外国の方に驚かれたことがあるかと思います。日本人からすると不思議な感じがしても、米国では大人気なんてデザインもありますよね。SHOEIという文字をあえてカタカナで入れたデザインもとても好評でした。日本の発想を土台としながらも米国で受け入れられるデザインになるよう、オフィスや代理店などの現地スタッフに聞き取りを行いながら日米で協力して発想の転換をしています。また、インスピレーションを得られるようにデザイナーが直接海外に足を運ぶ機会も設けています。
Shoei

進出希望者へのアドバイス

普通の感覚だと思っていても実は日本独特の文化だったと、それが日本独自の感覚だということを自覚さえしていないことがあります。ですので、常に違いに敏感になっておくことが必要ではないかと思います。絵のデッサンの様なイメージで、対象物を良く見て、それを自分なりの形におこしていく、ということでしょうか。ただ、日本の感覚を捨ててしまうのではなく、日本のアイデンティティを無くさないことは大切にするべきだと考えています。日本で生まれて育てていただいき今の規模になっているいう、ルーツは無くさない。それを無くした時点でつまらないブランドになってしまうのかもしれません。
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今後の展望

以前、ヘルメットの衝撃テストを行うラボの方に「SHOEIのテストはつまんないんだよ」と言われたことがあります。「数十年このテストに携わっているが、SHOEIのヘルメットはテストに落ちたことがない」と(笑)とても嬉しい褒め言葉でしたね。弊社の製品は全数が日本生産、全てのヘルメットに同じ性能が与えられており、個体差を極限まで少なくしています。その高品質の部分を評価して選んでいただいている反面、ゆえに低価格での提供が難しい部分もあります。$50のものと$500のものはどう違うのか、見た目は同じに見えても同じではないという点をどのようにお客様に訴求していくかが今後の課題ですね。
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また、ブランドとしての価値を高めていき、今後もより選んでいただけるブランドであり続けることが長期的な目標です。そのためには、新しい技術などへのトライもしなくてはいけません。現在は評価の高いメイドインジャパンですが、ここ数年で他国の製品品質の向上は目覚ましいものがあると個人的に感じており、これから先はものがいいだけでは選んでもらえない時代が来ると思います。その中でどのように選び続けてもらえるブランドであるかという問いは常に持ち続けていく必要があります。

SHOEI SAFETY HELMET CORP.

■ホームページ:https://www.shoei-helmets.com/
■住所:3002 Dow Ave., Suite 128 Tustin, CA 92780

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