就職&転職ガイド
- 2021年10月4日
- 2021年10月号掲載
就職・転職活動をするにも何から始めればいいのか、どのように進めればいいのか、初めてであれば特に不安なことも多いはず。本特集では就職・転職活動を円滑に進められるよう、進め方のポイントや書類作成のコツ、面接の対策といった役立つ情報を届ける。
転職大国アメリカの労働市場
アメリカでは転職がごく一般的。United States Department of Laborの調査によると、18〜54歳の間に就く仕事の平均数は12.4という結果がある。また、労働政策研究・研修機構が発行した「データブック国際労働比較2018」によると、日本の平均勤続年数が11.9年であるのに対してアメリカは4.2年。ほかの国と比べても、アメリカは群を抜いて転職のスピードが速い。短期間で転職を繰り返す理由として、以下のような労働市場が考えられる。
ライフワークバランス
終身雇用や年功序列が色濃い日本に対し、アメリカでは仕事は自身の人生を豊かにする手段の一つと考えられている。そのため我慢して働くという考え方はあまりなく、自分が理想とするワークスタイルや待遇を求めて転職することはごく普通の流れ。
成果主義
アメリカでは、特定の職務に対して即戦力となるスペシャリストを求めて採用する「ジョブ型雇用」が一般的。どれだけ会社に利益をもたらすことができるかがキーポイントとなり、パフォーマンスが伴わない人材は解雇して人を入れ替えるケースも多い。また、給与や待遇は職務内容によって定められた能力給制が一般的であり、特定のポジションで採用されている限り昇格・昇給という概念はない。つまり、転職は給料アップやキャリアアップのための手段なのだ。
就職・転職のベストシーズン
ジョブ型雇用を取るアメリカでは欠員に応じて採用を行うので、通年採用が基本。ただし、シーズンごとに傾向があるのも事実だ。
●年末商戦による求人増加
小売業界の年間売上のうち30〜40%を占めるといわれる年末商戦。この時期の需要に合わせて小売業や物流業では人員補充が行われる。近年のオンラインショッピングの台頭にともない、Eコマース関連のカスタマーサービス職やIT職も対象となる。
●その他の業界では雇用縮小
ホリデーシーズンのため採用活動を含めたビジネス全体がスローになり、BtoC以外の業界やフルタイムのポジションは雇用が縮小。年明けまで待つ余裕があるなら、ベストシーズンに向けての準備期間とするのも良いだろう。
新たな会計年度に入り採用の準備が整う企業が多いため、就職・転職のベストシーズンといわれている。1月には求人の投稿がグッと増え、2月から面接の案内が届くなど採用活動が本格化。求職者の競争率も同様に高くなるのがこの時期の特徴だ。
●卒業シーズンに合わせた雇用
5・6月の卒業シーズンに合わせて、優秀な人材を採用したい企業が積極的に人材確保を行う。また、翌年のH-1Bビザ抽選時期を見込んだ場合にもちょうど良いタイミング。
●日本の新年度に合わせた雇用
日本本社と繋がりが強い日系企業は、4月に行われる異動・人事編成に合わせて採用を行う場合も多い。
長期のバケーションを取る人が多く、採用担当者がオフィスを留守にするケースもあるため採用活動がスローダウンする。
●再始動のシーズン
1・2月の次に雇用が拡大する季節。バケーションシーズンが終了し、ビジネスが再び軌道に乗り始める。人々のモチベーションも高く、仕事の生産性も高いため採用活動に本腰が入る。
●緊急性の高い求人増加
来たる年末・ホリデーシーズンに備えて、また第4四半期に入り予算が不足する前にリソースを確保したいという姿勢から、緊急性が高い求人が増加する傾向にある。
※最近ではコロナ禍により、シーズンごとの傾向にイレギュラーな点も多く見られます。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
海外教育Navi 第85回
〜海外から海外への横移動にともなう子育ての留意点〜〈前編〉
アメリカのカーシェアリング比較
Turo(ツゥーロ)、getaround(ゲットアラウンド)、Hyrecar(ハイヤーカー)