お金の新たな価値を伝える
作家 本田健さん

PEOPLE SPECIAL
様々な業界で活躍中の話題の人に、過去、現在、そして未来について聞く。

これまで日本で130冊近くの自己啓発本を出版してきた本田健さんが、「お金と幸せ」をテーマにした英語で初の書き下ろし著書『happy money』を2019年6月にSimon&Schuster社から発売した。

育児中に夢に見た娘の言葉に発奮

経営コンサルタントや投資家として働いていた29歳の時にこどもができ、育児に専念、奥様と一緒に4年間セミリタイア生活を送ってきた。そんな時に見た夢の中で、大人になった娘に「何もしていないパパ、格好悪い」と言われ、人のためになるようなことをしようと思い執筆活動を始めたという。

これまでの経験を生かし、お金と幸せについて書いた原稿をホッチキスで止めて小冊子にまとめ、最初は知人に読んでもらっていた。執筆配布を継続していたら、内容をすごく褒められて出版社から声がかかり、本を出版することになった。

これまで10万部ほど小冊子をプレゼントし、読んでもらったことで人生が変わった人たちがいた。「自費で小冊子を作ったのでお金はなくなったけど、作家として活動できるようになり、印税やセミナーを行いお金を稼がせてもらいました。自分の活動から、与えた人は人から与えられる、という法則を私の人生で証明することができました」。本田さんは、自分が持っているお金と幸せについての知恵を世界に広めたいと思い、アメリカで出版することを決意したそうだ。

お金が入って来たらありがとう、お金が出ていってもありがとう

お金にはIQ(知性)とEQ(感性)が必要と、本田さんは説く。ほとんどの人がIQにフォーカスして投資をする。だが、IQの感覚が高ければお金持ちになれるのかというと、お金持ちになる時はあっても、EQが低ければ一瞬にして一文無しになることもある。お金に対するEQが低いと、してはいけない投資をしたり感情的に投資活動を行ったりしてしまう。だから、EQを正しく持つことがとても重要なことだと伝えている。

本田さんが師匠と仰ぐ個人投資家の竹田和平さんの言葉に、こんなものがある。「お金が入って来たらありがとうと言いなさい。お金が出ていく時にもありがとうと言いなさい」。お金の豊かさを作り出すのに大切なのは、2つの心がけだ。「ありがとうのサイクルができると、お金に対する不安が取り除かれます。人間の心理は、不安と感謝を同時に感じることは難しいのです」と本田さんは話す。

今回アメリカで出版された『happy money』では、お金へのトラウマや心の傷を癒すことで人生が変わると伝えている。「お金は感情を揺さぶるものだと思います。お金があったら嬉しいし、減ったらイライラしますよね。生存活動とお金が結びついていて、お金は怖いもの、足りないものという概念があり、お金との付き合い方が分からなくなる人がいます。自分にとってお金はどういうものか、どういう付き合い方がいいのかをマスターしないと、お金から自由になることはできません。それにはお金持ちになることではなく、楽しく付き合うことに気づく必要があります」と本田さん。

アメリカ人はお金を稼ぐことは学んできたが、人生を楽しむことと結びつけて考えることはあまりないそうだ。自分らしい生き方をするためのお金との付き合い方を説いたこの本が、アメリカ人の間では画期的な著書になるだろうと考えており、どういう反応が出てくるかワクワクしていると本田さんは語る。

PROFILE
ほんだ けん
神戸生まれ。経営コンサルタントを経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。「お金と幸せ」をテーマに講演会を全国で開催。無料インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は3900万ダウンロードを記録。著書は『ユダヤ人大富豪の教え』など130冊以上、累計発行部数は700万部を突破。2019年6月にはSimon & Schuster社より初の英語での書き下ろし著書『happy money』を出版。世界25カ国以上の国で順次発売予定。
公式HP:http://www.aiueoffice.com/

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