コロナ禍の働き方の変化は、女性にとって良い追い風?

冬になるにつれ、アメリカのコロナ感染者の状況も再び悪化傾向にあるようです。州によってはすでにロックダウン再開というところも。私の住むテキサス州ダラスは、今のところロックダウンとまではいっていませんが、残念ながら秒読みに入った気もします。感染拡大防止のためとはいえ、自宅にカンヅメになるのはつらいですよね。このコロナ騒動、早く収まってくれますように!

テレワーク環境では物理的な「出社」はありませんが、パソコンをオンにすることで「出社」、オフによって「退社」という流れになっているかと思います。ほとんどの企業が導入しているであろうオンラインツールのおかげで、社員みんなの勤務時間がデジタルで見える化されている会社は多いのではないでしょうか。オンラインで勤務中の状態なら緑色マーク、離席していたら黄色マークで「〇分アウェイ」、そして退社したら「〇時にログオフ」、など。便利ではありますが、勤務状況がまるバレでもあります。そして、この「勤務中」状態がまた曲者です。極端な話、パソコンを常にオンにして定期的にマウスを動かしていれば、緑色マーク状態を維持できてしまうからです。

実はこのような点は以前からテレワークの懸念事項として挙がっており、テレワーク反対者からよく指摘されていたのですが、最近はあまり聞かなくなりました。実際に社員全員でテレワークをしてみたら、実は思ったほど業務に支障が出ていないからなのかもしれません。このコロナ禍で知らずしらずのうちに、「社員のパフォーマンスを評価するにあたり、勤務時間は重要だ」という考え方から、「勤務時間よりも、要求されている成果を出せているかが重要だ」といった、成果ベースの考え方へとシフトしてきているのかもしれません。

実はこれ、働く女性にとっては喜ばしい風向きの変化なのでは?と私は思っています。日本では以前から、「女性の管理職就業率が低い」とか、「女性が昇進できる機会が少ない」などといった懸念の声が上がっており、政府はなんとかこの状況を改善しようと、さまざまな施策を試みています。でも残念ながら、女性の管理職率は思ったように増えていません。なぜなんでしょう? どうやらその理由の一つが、「そもそも女性たちが管理職に就きたいと思っていない」ためのようです。

これを見ると、トップ3の2つが時間に関する項目です。ちょっと考えてみれば当然のこと。仕事だけでなく、家事や育児など、女性は本当に忙しい! 男性社員と同レベルの長時間勤務にコミットしないと出世は望めないという環境では、明らかに女性のほうが不利です。「出世するのに長時間勤務が必須なら、私は昇進したくないわ」と思ってしまうのも無理はありません。

でも今のコロナ禍では、テレワークを通じて、自分の時間を考慮しながら働くことが少しずつ可能になっています。
私のチームには、子供のデイケアのピックアップのために必ず4時にログオフする女性社員がいるのですが、彼女はその後、夜の9時頃に子供の寝かしつけが終わった後、再びログインして仕事をしています。私にしてみれば、4時に彼女が「退社」してしまっても、任せた仕事が予定通りに出来上がってくれば何ら問題はないのです。彼女も必ず8~5時で勤務しなさいと縛られるよりも、自分の融通がきく時間で仕事ができたほうがよほど効率的でありがたいのです。

「Happy Employees, Happy Company」という研究にもあるように、ハッピーな社員と企業の業績は大いに関係しています。最近よく「働き方改革」や「多様な働き方」、はたまた「ワークライフバランス」などといったキーワードを耳にしますが、私はこれをとても良いトレンドだと思います。コロナの中で大変な時期ではありますが、こういった逆境を逆手に取り、皆がハッピーになれるような、新たな働き方を模索していけたらいいですね。

<参考>
●President Online
president.jp/articles/-/25832?page=1

●Happy Employees, Happy Company
www.chieflearningofficer.com/2018/12/12/happy-employees-happy-company/

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北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米23年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること20年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

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