一度は見ておくべき アメリカの建築7選

TEXT by Haruna Saito

ウォルト・ディズニー・コンサートホール
Walt Disney Concert Hall

California
www.laphil.com/about/our-venues/about-the-walt-disney-concert-hall

カリフォルニア州ロサンゼルスに位置するウォルト・ディズニー・コンサートホールは、ロサンゼルス・フィルハーモニックの本拠地ともなっているコンサートホール。その個性的な外観は道行く人々の目を引きつけ、ダウンタウンLAのランドマークになっている。

コンサートホールの設計を手がけたのは、カナダ出身の建築家フランク・O・ゲーリー。波打つような大きな曲線を描いたステンレススチールの外壁は、ロサンゼルスの日差しを反射してひときわエネルギッシュさを放っている。無機質な素材を使いながら流動的なフォルムを表現する奇抜なスタイルは、まさにフランク・O・ゲーリーらしいといえるだろう。

建物の中に入ると、今度は木造の柱が同じように曲線を描いて来客をコンサートホールへと誘う。ホールに入ったら、まずはパイプオルガンに注目して見て欲しい。世界的にも珍しい木造のパイプオルガンは、1本1本のパイプがカーブを描いて天井へと伸びており、まるで燃え上がる炎のよう。ちなみに、コンサートホールの音響設計を担当したのは日本人の音響設計家、豊田泰久。ステージを囲むように観客席が配置された構造や音の効果を最大限に引き出す設計は、世界的に高く評価されている。

   

Amazon スフィア
The Spheres

Washington
www.seattlespheres.com

シアトルのダウンタウンでひときわ異彩を放っているのが、The Spheresと呼ばれる建築物。ここは2018年に完成した、「植物と人間の共存」をテーマとしたAmazonの本社キャンパスの一部だ。全面ガラス張りの鞠のような球体が折り重なった建築物は、まるで異世界のようなインパクトを人々に与えている。内部には植物園のように緑が生い茂っており、パーソナルスペースやミーティングスペース、鳥の巣のような木造のリラックススペースなど、さまざまなワーキングスペースが併設されている。Amazonの社員はこの空間で、自然に囲まれてリラックスしながらクリエイティブな作業に没頭できるのだ。

The Spheresの内部では、世界30カ国以上の国々から集められた約1000種の植物がおよそ4万株も育てられている。室温は人間と植物の双方が快適に過ごせるように、昼間は約72℉、湿度は60%前後に保たれている。

Amazonのオフィスながら毎月第1・第3土曜には一般公開されているので、事前予約のうえぜひ訪れて欲しい。料理界のアカデミー賞といわれるジェームズ・ビアード賞を受賞したシェフの料理が味わえるカフェもお見逃しなく。

   

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