壁一面を覆うタッチスクリーン・システム 〜ハワースのブルースケイプ
- 2013年5月13日
- ハイテク情報
米国第2位のオフィス用家具生産販売大手ハワース(Haworth)は、双方向ディスプレイ開発のオブスキュラ・デジタル(Obscura Digital)と協力し、オフィスの壁を利用する会議用大型タッチスクリーン型ディスプレイ「ブルースケイプ(Bluescape)」を開発した。
ビジネスウィークによると、ブルースケイプは、55インチの平面モニター15台を壁一面に設置するシステムで、各モニターに搭載された32個の専用検知器を使って、指触操作に加え、利用者の手の動きにも反応する。画像を最大限に縮小した場合、広さにして160エイカー分を表示できる。
会議中にスクリーンに書いたメモを保存できるほか、「壁」にデジタル・ペンを使ってデジタル付箋を追加したり、ほかの端末から「仮想空間」を閲覧し、文書をアップロードすることも可能。
スクリーンへの付箋追加をはじめ、文書や写真の挿入、画像の回転も指触操作できるほか、変更も記録できる。
ブルースケイプ・システムを1年以上にわたって授業で試用してきたカーネギー・メロン大学のスチュワート・エバンス教授は、「大きなキャンバスで作業し、多くの人とやり取りできる」点を評価している。
ブルースケイプ・システムの試験運用を扱うハワース子会社によると、カーネギー・メロン大学のほかにも、映画会社やホテル・チェーン、製造会社、建築会社を含む約30の企業がブルースケイプを現在試用中で、6月に第一号受注を見込んでいる。
価格は未定だが、モニター1台で構成する基本仕様が約3万ドルから、モニター15台の場合で約100万ドルの見通し。
ブルースケイプ子会社は、ブルースケイプのソフトウェアおよびサービスをライセンスする計画だ。
専門家らは、高コストがブルースケイプ普及の障害になると指摘する。たとえば、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)は、コスト高による販売不振を理由に、動画会議とネットワーキング・システムのヘイロー(Halo)を2011年にポリコム(Polycom)に売却している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ