サンディスク、フラッシュ・ストレージに注力 〜データ・センター向けに

 フラッシュ・メモリー開発大手のサンディスク(SanDisk)は、データ・センター向けフラッシュ・ストレージ製品の需要開拓に力を入れている。

 サンディスクの製品は伝統的に一般消費者向け市場に強く、一時は製品の約3分の2をベスト・バイ(Best Buy)といった小売店経由で消費者向けに販売していた。

 ビジネスウィークによると、サンディスクは近年、消費者向け市場の変動幅が大きいことを理由に戦略を見直し、小売事業を売り上げの約3分の1に縮小する代わりにデータ・センター向け市場を開拓する方針を打ち出している。

 サンディスクでは、モバイル端末向けフラッシュ・メモリー市場が2012年の110億ドルから2016年には150億ドルに成長すると予想。一方、データ・センター向けを含む企業用製品が大半を占める固体素子市場については、同期間中に規模が倍増し、2016年にはモバイル端末向け市場に肩を並べると期待する。

 企業向け製品市場対策として、サンディスクは従来の半導体開発にとどまらず、ディスクの脳として動作するコントローラーやソフトウェア分野の強化にも着手している。

 同社はその一環として、ソフトウェア開発のスクーナー・インフォメーション・テクノロジー(Schooner Information Technology)とフラッシュソフト(Flashsoft)、SSD製造のプライアント・テクノロジー(Pliant Technology)を買収した。

 データ・センター運営企業にとって、フラッシュ・メモリーはハード・ディスクに比べて読み込み速度が早いという利点がある一方で、高額なことが課題だ。

 そのため、たとえば、動画配信サービス大手のネットフリックス(Netflix)は、人気映画をフラッシュ・メモリーに保存し、それ以外の動画を安価かつ遅いハード・ドライブに保存するという具合に記憶媒体を使い分けている。

 サンディスクによると、フラッシュ・メモリーの価格は2010年あたりまで年間約40%ずつ低下したが、技術的限界が理由となって今後はそれが年間15〜25%程度に落ち着く見通しだ。

 記憶密度を上げる方法として、メモリー・セルを縦に積む3Dメモリーという手法があるが、サンディスクのサンジェイ・メロートラ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「(サンディスクにとって、3Dメモリー技術に)飛びつく経済的誘引」は、今後しばらくはないという見解を示している。

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