変電所に住友電工製の蓄電池〜北海道電、出力変動調整を実験
- 2013年8月8日
- 米国ビジネス
北海道電力は、変電所に住友電気工業製の大型蓄電池を設置し、風力・太陽光発電の出力変動調整の実証実験を行う。経済産業省が公募した「2013年度大型蓄電システム緊急実証事業」に両社が共同応募して採択された。蓄電池の導入費用として経産省が2億3000万ドルを補助する。
ブルームバーグ・ニュースによると、両社は北海道電の南早来(みなみはやきた)変電所に2年がかりで電池を設置し、2015年から送電システムにつないで実証試験を行う。出力が一定しない風力・太陽光発電に対する蓄電池の調整機能を実証しながら、最適な制御技術を開発するのが狙い。
使われる電池は、住友電工が「レドックスフロー電池」と呼ぶ大型蓄電池。蓄電容量は6万キロワット時と世界最大級で、一般家庭6000世帯の1日分の消費電力に相当する。耐用年数は20年と、実用化で先行するリチウムイオン電池の倍に上る。
欧米でも風力発電における蓄電の重要性が高まっており、経産省は「北海道の実験がその答えになる」と話している。住友電工の蓄電池には、1970年代のカシオ製電子計算機、今世紀のトヨタ自動車製ハイブリッド車に続く日本経済活性化の期待が掛かる。
レドックスフロー電池は、74年に米航空宇宙局(NASA)が基本原理を発表した。住友電工は85年から開発に着手し、一度は休止したものの08年に再開。横浜製作所で研究を進めている。
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