「そろそろ牛乳買い足しを」〜ウォルマートが技術特許申請

 小売り大手ウォルマート・ストアズが、センサーを使って消費者が購入した商品の消耗度を知り、買い替えを促す技術の特許を申請していることが、最近公開された米特許商標局への提出書類で分かった。
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、歯磨きや牛乳、かみそりなどの商品にセンサーを取り付け、残り少なくなったり消費期限が近づいたりすると自動的に新品を届けるか、消費者に購入を勧める仕組み。その過程でウォルマートは消費者の行動に関するデータを収集してマーケティングに役立てるという。
 
 ウォルマートの新技術は、消費者が携帯電話で手元にある商品をスキャンすると新商品が届くシステムや、ボタンを押すだけで特定の商品が注文できる小型通信端末「ダッシュ・ボタン(Dash Button)」など、すでにアマゾンや同業のターゲットが提供している登録制自動注文サービスの先進版といえる。
 
 家庭にある無線通信、ブルートゥース、バーコード・スキャナーといった技術と、商品に埋め込んだセンサーを組み合わせることで、ウォルマートには商品の使われ方や家庭内での動き、次にどんな商品を売り込めばいいかなどが分かる。衣服の場合、センサーによって購入後に洗濯機に入れられた回数から着用の回数が推定でき、メーカーが想定する商品の耐久性の限度に近づくと新商品の注文を自動的に受けられるようにできる。牛乳の場合は、賞味期限が近づくと購入者に使い切るか新商品を注文するよう知らせることができる。
 
 企業が特許を申請しても技術は実用化されないこともあり、ウォルマートが現在このシステムを実験しているかどうかは不明。特許の申請は2016年10月に行われた。
 
 今回の申請を最初に見つけた調査会社のCBインサイツによると、ウォルマートの特許は店舗やeコマース展開に関するものが大半で、消費者が家で使う通信機器に関するものは少ない。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
  2. カナダのノバスコシア州に位置する「ジョギンズの化石崖群」には、約3 億5,000 万年前...
  3. 世界のゼロ・ウェイスト 私たち人類が一つしかないこの地球で安定して暮らし続けていくた...
  4. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
  5. 2024年6月14日、ニナが通うUCの卒業式が開催された。ニナは高校の頃の友人数名との旅行...
  6. ラブラドール半島のベルアイル海峡沿岸に位置するレッドベイには、16世紀に繁栄したバスク人による捕鯨...
  7. フェムケアの最新事情 Femcare(フェムケア)とは「Feminine」と「Car...
  8. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
ページ上部へ戻る