年間4900万本のタイヤを購入しているゼネラル・モーターズ(GM)は、小規模なゴム農家の支援と資源の長期的確保による企業利益の保護を目的に、天然ゴムのタイヤだけを購入する計画を発表した。
オートモーティブ・ニュースによると、GMは現在、持続可能な形で生産されているといった天然ゴムの購入条件を作成中で、森林の違法伐採を減らし人権や労働権を守るために、他の自動車メーカーにも同様の行動を促している。同社のサステイナビリティ担当責任者は「環境のためだけではなく、商売上の結果を出すためでもある」と話した。
GMは、森林破壊につながらず地域経済や社会的発展に貢献する方法で採取され、経路が透明で追跡可能な形で管理されたゴムだけを使いたいと考えており、ブリヂストン、コンチネンタル、グッドイヤー、ミシュランといったタイヤ大手と協力してこの動きに取り組んでいる。
ゴムの木から得られる素材の特性を人工的に作り出すことはできず、関係者は「天然ゴムをすべて人工素材に切り替えることはできないが、責任ある形でゴムを入手することはできる」と話している。持続可能な農法を拡大することによるコスト面への影響は不明だが、ゴムの産出量を増やすことなどによって最終的には現在の水準かそれ以下にできると期待している。
ゴムの木は地球上でも赤道近くの限られた一帯でしか育たず、病気になりやすいため、業界全体で資源を守る努力をすることが重要だという。GMは6月から関係者と会って、ゴムの仕入れ基準を設定し、2017年内に業界ロードマップ(行程表)を作成する予定。
ブリヂストン・アメリカスで環境・健康・安全・サステイナビリティを担当するジム・デモイ副社長は「GMのようなブランドが介入すると勢いが生まれて取り組み全体が加速する。同時に、これは単一の企業が取り組むには大きすぎる問題でもある」と話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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