ジュースボックス、人材採用自動化に次なる革新 〜 わずか4人で顧客2000社を獲得、3000万ドルを調達

人材採用自動化ソリューションを開発する新興企業のジュースボックス(Juicebox、サンフランシスコ拠点)は、生成人工知能機能を応用することで、これまでは手作業だっと部分も自動化する検索エンジンによって台頭しつつある。

人材採用の過程では、履歴書を人工知能で選別したり、人工知能を使ってリンクトインでキーワード検索したりといった方法で長年にわたって効率化されたきたが、最終的な部分では採用担当者らの手作業に委ねられていた。

テッククランチ誌によると、その課題を解決しようとしているのがジュースボックスの新たな大規模言語モデル(large language model=LLM)駆動型検索エンジンだ。

同社の共同創設者であるデイヴィッド・パッフェンホルツ氏とイシャン・グプタ氏は、それぞれ22歳と19歳だった約3年前、人材プロファイルや個人サイト、公開情報を自然言語で解析し、最適人材を特定する検索エンジン「ジュースボックス」を開発した。両氏は2022年夏にYコンビネイターに参加してジュースボックスを磨き上げ、ピープルGPT(PeopleGPT)という新型の人材検索エンジンを2023年末に市場投入した。

ピープルGPTは、小規模新興企業からコグニッション(Cogntion)やパープレクシティー(Perplexity)といった新興大手まで短期間で多くの会社に採用され、あっという間に2500社以上の顧客を獲得した。

パッフェンホルツ氏によると、ピープルGPTは「キーワードに含まれない人材を新たに見つけ出せる」。人工知能が検索者の意図を理解して、検索語以外の関連性のある含みも検索するためだ。また、候補者らを特定して絞り込んだあとに、電子メール通知や面接日程調整を生成人工知能機能によって自動的に実行する。

パッフェンホルツ氏らは9月25日、セコイア・キャピタルが主導したシリーズAの資金調達で3000万ドルを集めたと発表した。

セコイアのパートナーであるデイヴィッド・カーン氏は、ジュースボックスの創設者らが人材採用担当者をまったく使うことなく「十数人を採用した」と聞いて、同社に興味を持ったと話す。その後、セコイアの人材採用担当者がジュースボックスを使っていたことがわかり、それが投資判断をあと押ししたという。

「わずか4人の新興企業が2000社の顧客を獲得したという事例を見たことがない」とカーン氏は話した。ジュースボックスの従業員数は現在、8人まで増えているが、営業部門を置いていない。にもかかわらず、利用会社数は順調に増え続けているという。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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