2050年の高層ビルは自給自足
- 2013年3月28日
- 環境ビジネス
建築工学技術を手がけるアラップ(Arup)は、2050年頃に実現する高層ビルの未来図を描いた報告書を発表し、自給自足型の高層ビルが普通になるという予想を示した。
グリーンビズ誌によると、アラップは、2050年の高層ビルが食物を栽培し、エネルギーを生産する基地としても機能する設計になり、天候変化に自動反応して電力消費を節減する、と予想する。
アラップは、シドニーのオペラ・ハウスを設計した会社として有名。同社は現在、中国の東灘でゼロ・カーボン都市の建設に携わっている。
同社によると、未来の建物は、居住者のニーズに合わせてインテリジェント・システムを装備し、消費するよりも多くの資源を生産するようになる。
「未来の都市建物は、実質的にそれ自体が生き物であるかのように機能する」「周囲の環境に反応し、また建物を使う人と対話する」と、アラップの設計コンサルタントであるジョセフ・ハーグレーブ氏は話す。
ハーグレーブ氏によると、外壁塗装として装備できる太陽発電装置や小型風力発電装置、さらにはバイオ燃料を生産するプランクトンを通じてエネルギーを生産し、また、ナノ粒子の粘膜が炭素をとらえて酸素に変換する。
建物内では、今日でも見られる垂直農法を利用して、肉や魚、野菜が生産される。
建物の頭脳となるインテリジェント・システムは、エネルギー消費や天候の状況を常時把握して、各種の資源の生産や消費を最適化するための意思決定を下す。
また、未来の高層ビルはモジュラー式設計によって、長期的なニーズに合わせた刷新や再構成が容易にできるようになる。簡単に言えば、つみ木のように組み替えることで、需要に応じて構造を変えられる機能を備える。
また、建材には、自己修復や自己維持管理が可能になる機能も備わると予想される。たとえば、ロボットがモジュラー部品を自動的に探知、交換、修理、実装することが想定される。
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