車の化石燃料消費、2050年までに8割減も可能

 米国学術研究会議(NRC)は、米国内を走る乗用車および軽量トラックの化石燃料消費量と温室効果ガス(GHG)排出量を、2050年までに80%削減することも可能だと結論付ける報告書を発表した。

 ロサンゼルス・タイムズによると、40年足らずで燃料消費を8割減らすのは極めて高い目標だが、車のエネルギー効率を一段と高め、バイオ燃料や電気、水素といった代替燃料を組み合わせれば達成できる可能性はあると、NRCは報告している。

 米エネルギー省によると、米国の石油消費量は2005年11月に1日2080万バレル超の最高に達した後に減少に転じ、世界的な不況、経済回復の遅れ、運転距離の減少、高燃費車の増加で1890万バレル強まで落ちている。

 しかし、2050年までに8割減らすには、それらとは比較にならないほど劇的な削減達成が必要だ。

 NRCによると、目標の実現には、トヨタ・プリウスのようなハイブリッド車(HV)をはじめ、シボレー・ボルトのようなプラグイン・ハイブリッド車(PHV)、日産リーフのような電気自動車(EV)など、既存の優れた新技術をさらに改善することはもちろん、2014年ごろに発売が予定されているメルセデス・ベンツFセルといった燃料電池車、ホンダ・シビックCNGといった圧縮天然ガス車の最新技術も必要になる。

 報告書は、「どの技術にも不確定要素があり、最終的にどれが成功するかは分からないため、車と燃料の研究開発を継続、推進し、業界と政府両方の支持を得ながら候補となる技術の重要課題を解決するのが最善の取り組み方」と指摘する。

 目標を達成するためには、二つ以上の分野で劇的な改善が要求される。

 まず一つは、バイオ燃料の生産拡大だ。2007年の連邦エネルギー自給安全保障法では、2012年に5億ガロンのセルロース系バイオ燃料を国内で生産する目標を掲げた。しかし、エネルギー情報局(EIA)報告書によると、同年の生産量(実績)は約2万ガロンと目標のわずか0.004%にすぎず、別の基準に基づく報告書でも年476バレル(日産約1.3バレル)にとどまっている。

 もう一つの分野は、車の燃費の劇的向上だ。米環境保護庁(EPA)によると、2012年型車の実用平均燃費は約23.8マイル/ガロン(mpg)と過去最高を記録したものの、2011年型では前年より悪化した。

 東日本大震災でホンダやトヨタといった高燃費日系メーカーの生産が落ち込み、(総じて燃費の悪い)米メーカーの車しか選択肢がなかったためという声もある。

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