NRGエネルギー、消費者の電力自給を支援 〜卸売大手が電力会社を飛び越え
- 2013年4月3日
- 環境ビジネス
電力卸大手NRGエネルギー(ニュージャージー州)は、卸し先の電力会社を飛び越え、一般家庭の電力自給を支援する事業を拡大している。
リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、NRGは現在、住宅や商業ビルへのソーラー・パネル設置に力を入れており、将来は夜間用に天然ガス燃料の発電機も提供する予定。
発電施設と送電網を核とする大規模電気事業者が各家庭や建物に個別の発電システムを提供する例はなかったが、「消費者は電力業界が必要ないことに気付き始めた」「最終的には国民の大部分がそこにたどりつく」とデイビッド・クレイン最高経営責任者(CEO)は話す。
個別の建物にソーラー・パネルを提供して従来型の電力会社に対抗する企業には、2012年12月に新規株式公開(IPO)で9200万ドルを拠出したソーラーシティ(カリフォルニア州)がある。同社は2012年末現在で商業ビルや住宅向けに287メガワット(MW)のソーラー発電システムを設置している。
ソーラーシティのほか、サンラン(Sunrun)、サンジェヴィティ(Sungevity)、ヴィヴィント(Vivint)といった国内の10社以上が、先行投資なしでパネルを設置でき、毎月定額を払う長期リースの形で消費者に電力を提供している。料金は電力会社より安いことが多いため、消費者の電力会社離れを促進している。
NRGはそれらのリース事業に注目しながらも、屋上パネルが常に発電できるわけではないことを課題と考え、今や米世帯の約半分とつながる地下のガス配給網を重視している。
ガスから発電する燃料電池やマイクロタービンを顧客に持たせておけば、それを使って夜間発電も可能になるという理屈だ。
一方、発電と配電で利益を長年得てきた電力会社にとって、自家発電が増えれば事業が打撃を受けることは明らかだ。電力最大手デューク・エネルギーのジム・ロジャーズ会長兼CEOは、「長期的には明らかに脅威」と話している。
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