NY州司法長官、携帯電話盗難対策を呼びかけ 〜アップルやグーグルに要請

 ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は、携帯情報端末のオペレーティング・システム(OS)メーカーに対し、盗難対策を講じるよう要請した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、シュナイダー長官は、アップルとグーグル、マイクロソフト、そしてサムスン電子に書簡を送付し、スマートフォンやタブレットの盗難やひったくり事件について「拡大しつつある公衆安全問題」と位置付けて、その対策を呼びかけた。

 携帯電話通信サービス事業社(キャリヤー)は、盗難された機器を把握して通信網上で機能しないようにするための世界規模のデータベース開発に取り組んでいるところだ。

 米国ではほとんどのキャリヤーがデータベースを個別に管理しているが、2012年に、全米の統一的なデータベースを構築することで業界が連邦通信委員会(FCC)と合意した。そのデータベースは11月までに稼動する予定。

 携帯電話が盗まれたり強奪されたりすると、各キャリヤーは利用者からの報告を受けて、固有のシリアル番号とともにデータベースに登録する。連絡を受けたキャリヤーは、その時点でその電話機を通信網から除外し、音声およびデータ通信サービスを使えないようにする。

 シュナイダーマン長官は書簡のなかで、高度な技術を開発できる企業がなぜ「盗難機器を機能できなくすることによって闇市場の拡大を食い止められないのか」と批判している。

 メーカーのなかには、スマートフォンの持ち主が電話を追跡して機能しないようにする機能を導入したところもある。たとえば、アップルは数年前に、「Find My iPhone」という無料アプリケーションを配布して、ウェブサイトを介してアイフォーン所在地を突き止め、端末に保存されたデータを遠隔操作で消去する機能を提供した。サムスンやマイクロソフト、モトローラも同様のサービスを開発している。

 グーグルは、その種のソフトウェアをOSには搭載していないが、第三者開発によるアンドロイド向け追跡アプリケーションが多数提供されている。

 ニューヨーク市警察の調べによると、2012年1〜9月に同市内で発生したアップル製品の盗難は前年に比べて40%増加した。

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