大型車購入者、HVに興味なし〜販売中止相次ぐ

 大型の乗用車やスポーツ多目的車(SUV)市場では、ハイブリッド版(HV)の需要が非常に低いため販売を中止するメーカーが増えている。

 USAトゥデイによると、ゼネラル・モーターズ(GM)はSUV「キャデラック・エスカレード」「シボレー・タホ」「GMCユーコン」の次世代シリーズからHVを外している。メルセデスベンツも大型セダンの「Sクラス」でHVの提供を取りやめた。ただしメルセデスは完全に廃止したわけではなく、2015年に発売する刷新後のSクラスではプラグイン・ハイブリッド(PHV)を提供する。

 トヨタ自動車の高級車レクサス部門は、この4月に大型セダン「LS」を706台販売したが、このうちHVはわずか9台だった。問題は価格で、HVは6000ドル以上高くなる。中型セダン「ES」など値段にそれほど差がないモデルでは、HVが販売のほぼ4台に1台を占めている。

 自動車情報エドマンズ・コムのジョン・オデル上席編集者は「高級車市場では、ハイブリッドになると非常に高い車がさらに高くなる。今は環境保護や石油消費削減のために余分な金を出そうという人が大勢いる状況ではない」と指摘する。

 しかし、着実に販売を増やしているブランドもあり、日産の高級車部門インフィニティの14年型高級フルサイズSUV「QX60」は、購入者の10%が3000ドルを上乗せしてHVを選択している。同社によると、HVは燃費が良いだけではなくパワフルに感じるためで「パワーはかなりV6に近いが、燃費は4気筒並み」という。

 大型車は燃費が良くて燃料の節約率が高く、バッテリーパックを積んでも人や荷物のスペースが極端に狭くならないため、 数年前まではHV提供に適していると考えられていた。グリーン・カー・ジャーナルのロン・コーガン発行人は「大型のハイブリッドがなくなるのは悲しいが、メーカーが別の方法で大型車の燃費を向上させるのなら悲しみも薄れる」と話している。

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