第59回 散歩中のマナー
文&写真/寺口麻穂(Text and photos by Maho Teraguchi)
- 2013年8月5日
愛犬との散歩中に犬嫌いの人からにらみつけられたり、厳しい言葉を投げられたりした人は少なくないと思います。マナーのない飼い主のおかげで、マナーを守っている飼い主が迷惑を被ることもあるでしょう。しかし、マナーある飼い主までもが「周りが適当だから私も適当でいいか」と投げやりにならず、常に周りへの配慮を持って愛犬と散歩したいもの。今回は犬の飼い主がいつも注意しておきたい散歩中のマナーについてお話しします。
① ふんの始末:自分の犬のふんを始末しない飼い主はどこにでもいます。私の場合、愛犬ノアとの散歩中にそのような飼い主に出くわすと、予備のバッグを差し出し「バッグ要りますか?」と聞いて始末してもらう方向に持っていきます。ふんの始末が当然のことなら、おしっこの場所も考えたいものです。大切に手入れされた芝生などは必ず避けるべし。また、オス犬に関してはマーキングをしたいだけさせず、飼い主が場所や頻度をコントロールすることは、エチケットのため以外に犬との関係を作る上でもとても大切です。
② 犬が苦手な人:世間には犬が苦手な人がいることも十分理解し、尊重しましょう。知らない人とすれ違う際には気を配り、決して無理やり自分の犬を好いてもらおうと押し付けないように。飼い主にすれば天使のような愛犬でも、犬が苦手な人には緊張の一瞬かもしれません。
③ ほかの犬とのあいさつ:散歩中にほかの犬と出会う際のマナーもあります。ハーネスにリトラクタブル・リードで飼い主のうんと先を歩いている犬や、飼い主が携帯電話を使用中の犬を見ると、基本的に私は距離を置いています。それは、その飼い主のスキルと知識を信用できないからです。自分の犬は自分で守るのは当然で、先方の犬とその飼い主に良い印象を持てない時は避けるが勝ち。また、断りもなく走り寄って来る飼い主には遠慮せずにストップをかけましょう。犬社会にも初めて会う時のあいさつの仕方というものがあり、知識のない飼い主がそれを無視して犬同士を遊ばせようとすると、悪い結果になることもあります。もちろんこちらからほかの犬に接近したい場合も、必ず相手の了承を得てから初めてあいさつさせること。
④ 愛犬を常に監視:路上でのおしゃべりに夢中になり、愛犬がいたずらをしているのに気がつかない飼い主を見かけることもあります。悪気はなくとも無責任な飼い主とマナーのない犬と映ってしまいます。外出中は自分の犬のことは常に監視下に置きましょう。また、リード使用の規制がある場所ではリードなしで散歩しないこと。犬がけたたましく吠えているのも迷惑な行動。散歩中の無駄吠えはすぐにストップさせ周りに迷惑をかけないように。
⑤ 携帯電話の使用:最近、犬の散歩中に電話やテキストをしている飼い主をよく目にするようになりました。散歩中は愛犬に100%集中する。犬にとって毎日の散歩は飼い主と絆を深める大切な機会なのです。もし一日中仕事に出ているなら、散歩こそ愛犬と過ごせる貴重な時間のはず。そんな時間も愛犬に100%になれないのでは飼い主としてちょっと恥ずかしいですね。また携帯電話を使用していると注意が散漫になり、犬にも飼い主にも大変危険ですのでご注意を。
犬と飼い主にとって「一日のメインイベント」であるべき毎日の散歩。その散歩をより快適な時間にするために、飼い主一人ひとりが周りへの気配りを示し、犬の飼い主として責任ある行動をとると、犬を飼ってない人や犬が苦手な人とも穏便な関係が保てるのではと思います。
次回は、「シェルターの犬」についてお話します。お楽しみに!
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