大空を舞い
ハリウッドサイン鑑賞の旅、最後は思い切って、空へ!
ロサンゼルス北部バンナイスの空港から、オービック・エアー社のヘリコプター「Ultimate(究極の)Tour」に乗り込んだ。「空からハリウッドサインを堪能するならこのツアーが一番」とすすめられたからだ。
パイロットと2人きり。風に乗って軽々と上昇。ユニバーサル・スタジオを過ぎてロサンゼルス・リバーを越えると、もうマウント・リーだ。西から回り込んで、ハリウッドサインをめざして降下していく。今度は東から、南から、もう一度西から。いろいろな角度でいい写真が撮れるようにと、パイロットが何度も挑戦してくれた。
ビバリーヒルズ、ドジャースタジアムからダウンタウンへ。幾重にも交差するフリーウエー。向きを変えてミッドタウン、ウィルシャー・コリドーを通過して、サンタモニカの海岸へ。桟橋の観覧車、かすむマリブ、コーストラインと打ち寄せる波。
空から見るロサンゼルスは、なぜか懐かしい。たぶんテレビの影響だ。ロサンゼルスのニュースチャンネルは、渋滞情報やカーチェイスを生中継するのにしょっちゅうヘリコプターを飛ばして上空からの映像を流している。それで疑似体験した気になっていたようだ。
同時にとても新鮮だった。ロサンゼルスってこんなに緑が多いんだ、湖もこんなにあったんだ、と。市内すべてのランドマークが見えた。どこも何度も行ったことのある場所だが、地上で車を運転しながら見ている風景ではない。つかんだつもりになっていた地形や距離の感覚も、空からではまったく違った。
ハリウッドサイン、どこから見るか、どうやって見るか? そればかり考えて進めた取材。終わってみれば、サインを通して、わが街ロサンゼルスの魅力を再発見する旅になっていた。
Orbic Air
16700 Roscoe Boulevard,
Van Nuys, CA 91406
818-988-6532
www.OrbicAir.com
一番人気の「Ultimate Tour」は45分(1人224ドル)。30分のツアーでもハリウッドサインを楽しめる。マリブの海岸を見下ろす場所に着陸し、ワインで乾杯するツアーもある(1人299ドル)。ロサンゼルスの観光ヘリコプターで、ランディングツアーがあるのはオービック社だけ。ホリデーシーズンや記念日のロマンチック飛行もOK。
ロサンゼルスは、晴天の日でも、朝は海岸線から立ちのぼる「マリン・レイヤー」と呼ばれる独特の霧や靄がかかっていることが多い。飛行は、昼過ぎの時間帯を狙って予約する方が視界がよくなる確率が高い。サンセット飛行もきれい。冬のロサンゼルスは比較的空気が澄んでいるので、ヘリコプター観光はこれからの季節がおすすめ。
取材協力/Special thanks to Los Angeles Tourism & Convention Board
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