シリーズアメリカ再発見㉘
Eat Me in St. Louis !
生誕250年 セントルイスを食べる

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

Photo © Mirei Sato


Photo © Mirei Sato

LUNCH

Pappy’s Smokehouse
3106 Olive Street, St. Louis, MO
314-535-4340
www.pappyssmokehouse.com

Photo by Dan Doeling

Photo by Dan Doeling


ベーコン・ソーダも置いてあったPhoto © Mirei Sato

ベーコン・ソーダも置いてあった
Photo © Mirei Sato

 セントルイスに来てBBQを食べないわけにはいかない。といっても、ここはメンフィス(テネシー州)・スタイルの店。それでもセントルイスのレストラン情報紙で、常に人気投票ナンバーワンになる。
 ミッドタウンのループ地区で、近くにはセントルイスを代表する2つの大学のキャンパスがある。いつ行っても長〜い行列ができている。
 ドライラブで何時間もかけてスモークしたリブは、とろけるような美味しさだ。美味しいから、みんな無言でせっせと食べる。食べたらさっさと出て行くので、列が長くても回転はいい。
 ミズーリ州の中でも、東部のセントルイスと西部のカンザスシティーではBBQのスタイルがまったく違う。どちらが美味しいか、は常に論争の的。一緒くたにすると、それぞれの街の人は怒るので要注意だ。ミズーリ州でBBQ食べ歩き横断の旅をするなら、最低1週間は必要だとか。

Wash Down with The Beer

Schlafly’s Tap Room and Bottleworks
7260 Southwest Avenue, Maplewood, MO
314-241-2337
schlafly.com/bottleworks/

Courtesy of Missouri Division of Tourism

Courtesy of Missouri Division of Tourism


Photo © Mirei Sato


Photo © Mirei Sato

 食べ過ぎで胃が窮屈になってきたからビールで流し込もう!
 ——というわけでもないけれど、セントルイスはビールの街だ。バドワイザーで有名なアンハイザー・ブッシュは、セントルイスに本社がある。
 ここ数年は小規模な醸造所、マイクロ・ブリュワリーの人気が復活してきて、セントルイスにも増えている。
 「シュラフリー」は、おそらく一番人気がある地ビールのメーカー。禁酒法時代に創業と歴史が長く、セントルイスのレストランやバー、どこに行っても置いてある。
 工場見学ができて、メンズジャーナル誌が選ぶアメリカのトップ・ブリュワリー・ツアーの一つ。ツアーに参加したければ、つま先までカバーした靴をはいていくこと。

Urban Chestnut
4465 Manchester Avenue, St. Louis, MO
314-222-0143
www.urbanchestnut.com

Photo © Mirei Sato


Photo © Mirei Sato


ウェアハウス風のビアホール。ミズーリ州は季節によってトルネードが発生する。バーカウンターは、トルネードの倒木を再利用しているそうだPhoto © Mirei Sato

ウェアハウス風のビアホール。ミズーリ州は季節によってトルネードが発生する。バーカウンターは、トルネードの倒木を再利用しているそうだ
Photo © Mirei Sato

 2010年に創業した「アーバン・チェスナット」は、クラフトビール流行りのセントルイスでも、一目置かれる存在だ。
 ブリューマスター(醸造監督)のフロリアン・クプレントさんは、ドイツ・バイエルン地方の生まれ。長年アンハイザー・ブッシュでビールをつくっていたが、「もっと自由なビールづくりがしたい」という夢を叶えて起業した。
 ドイツの伝統、大手ビール会社での経験を大切にしつつ、冒険と革命を恐れない、のがモットー。
 自慢のビール「WingedNut」は、ローストしたチェスナッツの風味が特徴。天気がよければ11月までビアガーデン(ミッドタウン地区)も営業中だ。
 ブリュワリーがあるグローブ地区は最近まではさびれていたが、アーバン・チェスナットの集客力も手伝って、再開発に弾みがついたと聞いた。近くには、オプラ・ウィンフリーに見出されて一躍有名になったソウルフードの店「Sweetie Pie」があり、ツアーバスが乗りつけるほど繁盛しているそうだ。

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