シリーズアメリカ再発見㉞
カメラで歩く絶景のシカゴ

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

 

ミレニアム・パークにある「ザ・ビーン」 Photo © Mirei Sato

ミレニアム・パークにある「ザ・ビーン」
Photo © Mirei Sato

 シカゴの観光名所の華ともいえる、目抜き通りミシガン・アベニューとシカゴ・リバーが交差するところでテレサさんと待ち合わせて、歩き始めた。

 ここには有名すぎるリグリー・ビルディングが、年齢を感じさせずに白くそびえていて、重厚なシカゴ・トリビューン紙の本社ビルもある。川には水上からシカゴの建築を眺める人気のボートツアーが行き来して、観光客の呼び込みも活発だ。
 橋のたもと、銀色にひときわ派手やかに輝く高層ビルは、トランプ・インターナショナル・タワー。中はホテルとコンドミニアムだ。

 ひと昔前までは、ここにシカゴ・サンタイムズ紙の本社ビルがあった。ブルズの黄金時代は、バスケットボールのプレーオフの季節になると、チームカラーの赤い牛の角がこのビルの屋根の上にちょこんと乗っかったものだった。それが好きだった私には、サンタイムズのビルが取り壊されてしまったのはいまだに悲しく、成り金風のドナルド・トランプに思い出の場所を乗っ取られたようで、このタワーを見上げるたび苦々しい気持ちになるのだが、最近シカゴに引っ越した友人から、「トランプ・タワーには、デリック・ローズ(ブルズの現役スター選手)をはじめ、ブルズの選手や(ホッケーの)ブラックホークスの選手がいっぱい住んでるんだって」と聞いて、いきなり中に入ってみたくなった。ミーハーは弱い。

 ミシガン・アベニューをくだって、ミレニアム・パークへ向かう。11年前に整備された公園で、パブリック・アートがいっぱいだ。

 ステンレス・スチールでできた銀色の「ザ・ビーン」。正式には「クラウド・ゲート」というのだが、豆のように見えることから愛称がついた。ここに映るシカゴの摩天楼は、見る角度によって、奇妙にゆがんだりグニャッと伸びたりする。そこに映る自分をセルフィー撮りするのも楽しい。新婚だろうか、わざわざウェディングドレス姿で来たカップルも一生懸命に写真を撮っていた。
 


 

1

2

3 4 5 6

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る