EB-5プログラムと永住権申請
文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)
- 2015年8月5日
今回は、アメリカで投資をすることにより、永住権(グリーンカード)の取得が可能なEB-5プログラムについて紹介します。これは1990年にアメリカ経済に利益をもたらすことを目的に、海外からの投資家のために議会より設定されたプログラムです。投資によるグリーンカード取得は、EB-5(第5優先)と呼ばれるカテゴリーに属し、満たさなければいけない条件は以下の5つとなります。
● リターンを期待した投資でなければならない
● 投資金は、合法的に手に入れたものでなければならない
● アメリカ市民もしくは永住権保持者の従業員を少なくとも10人以上雇用しなければならない
● 新規事業設立の場合は、新規の会社または経営続行が難しい既存ビジネスの引き継ぎでなければならない
50万ドルの投資が認められている地域とは、産業がほとんど存在せず、失業率が高い地域を指します。これらの指定地域に、投資家自身が会社を設立し事業を始める、もしくは地域の復興プロジェクトを担当しEB-5カテゴリーとしてUSCISより認可されているリージョナルセンタープロジェクト会社を通して投資する2つの方法があります。その他の指定されていない地域の場合は百万ドルの投資が必要となります。
リージョナルセンターへの投資には現金が必要ですが、そのほかのEB︱5の投資の場合は、在庫品や機械などの有形資産や、抵当など投資家の財産を元にしたローンで得たものでも構いません。投資家は、投資金が合法的に得られたものだと証明する必要があります。資金源には、貯金、贈与、相続、融資、有形財産を元にしたローンなども含まれ、確定申告書、収入、財産、投資、事業記録、ローンなどに関する書類を提出し資金源の合法性を証明する義務があります。ローンに関しては、何を元にローンを組んだのかなどの証明が必要になり、共同財産や会社に貸し付けているローンなどは、合法性を証明するものとはみなされません。
また「10人以上雇用」という条件ですが、この10人の従業員は、米国市民、グリーンカード保持者、あるいはグリーンカード申請中で就労許可を保持している人に限られ、常勤の従業員でなければなりません。また綿密なビジネスプランを作り、10人以上の従業員を雇える規模の会社であるという証明が必要となります。
EB-5投資家としてグリーンカードを取得するには、まず第1段階の審査を通過し、2年間の条件付グリーンカードを取得します。その後2年間にわたり10人の従業員を雇い続けたことを証明すれば、条件付の解除により無条件のグリーンカードを得ることができます。
※この記事はクライアントからの質問を一般的に書き換えたものです。法的なアドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。
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