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メニュー変更、海水浴場シャワー禁止
違反者スクールも、干ばつ工夫さまざま
- 2015年8月20日
干ばつが長期化するカリフォルニア州では、節水のためにさまざまな工夫が行われている。
夏休みが本格化する7月、州は海水浴場の公共シャワーの使用の停止を決めた。ロイター通信(7月10日付)によると、リサ・マンガット州公園緑地課長は「自宅や職場のほか、屋外での娯楽でも節水が重要だ」と説明した。
州によると、海水浴場のシャワー利用者は1日に1人あたり約1.2ガロン、1年に合計で約1800万ガロンの水を使う。州はシャワーを使う代わりに、体をきれいにするにはタオルを使うか、家から水を持参するよう呼びかけた。
州はこれまでに、公共施設の噴水や芝生の水まきを停止したほか、4月には刑務所の屋外シャワーの使用も停止。刑務所を管轄する州矯正更生局はさらに、受刑者の週3度のシャワーを5分に制限した。その代わり、所内の厨房や医療施設で作業する受刑者には従来より頻繁にシャワーの利用を許可しているという。
農家も、節水の工夫を余儀なくされている。ニューヨーク・タイムズ(7月7日付)によると、豊富な牧草で育てた乳牛のミルクを使うチーズ製造業者は、味の変化を実感。豆腐製造業者も、大量の水を必要とするこれまでの手法を見直し始めた。
今年のサクランボの収穫量はわずかで、あっという間に店頭から姿を消した。イチゴとバジルは例年より早く市場に出回り、ピーチも2週間早い。コメの作付けは、昨年より約30%減る見通しだ。
果物の場合、水やりを減らすと、小さいが濃厚な味わいになるという。しかしサイズが小さい果物を売るのは難しい。消費者に、大きさより質を重視するよう、ツイッターで訴える農家も出てきた。
レストランでは、ゆでずに蒸す、解凍には流水を使わず冷蔵庫で、余った氷はとけるまで待って植物の水やりに使用、食洗器にはできるだけ多くの食器を入れる、といった工夫をしている。
牛の飼育には大量の水が必要となるため、ビーフをメニューから外すレストランも出てきた。また、新しい州の規制で、客が頼まないのに水を出すと、レストランには500ドルの罰金が科せられる。
サンタクルズでは、トラフィックスクール(交通違反者が違反点数を取り消してもらうために通う学校)ならぬ「ウォータースクール」ができた。ロサンゼルス・タイムズによると、同市では、トイレの水漏れや庭のスプリンクラーの故障を放置するなどして、水を使いすぎた人には、最大2万ドルの罰金が科される。5月から導入した新規制では、1人あたり1日約60ガロン以上で違反となる。
違反者は、コミュニティーセンターで2時間のクラスを受講すると、初犯に限り、罰金が免除される仕組みだ。
クラスでは、水源のありかや、干ばつの影響などを学ぶ。水漏れの確認方法やシャワーの水のリサイクル方法、自分の家の水道メーターの読み方も習う。
サンタクルズ水道区では昨年、顧客の7%に相当する約770人がウォータースクールを受講し、40万ドルの罰金を回避したという。
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