「The Big Short」ブラピ、俳優として一皮むけた? (12月23日公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2015年12月23日
ブラッド・ピットが俳優として、そして、プロデューサーとしてオスカー候補となった映画「Moneyball」の原作者マイケル・ルイスの同名小説(邦訳「世紀の空売り 世界経済の破綻に書けた男たち」)を、再びブラピ製作で映画化したのが本作。サブプライム住宅ローン崩壊の舞台裏を描いた人間ドラマだ。
実在の人物で、バブル崩壊を予測したエキセントリックなヘッジファンド・マネージャー、マイケルに扮するのは、演技派クリスチャン・ベール。片目が義眼のマイケルを体現した目の演技に感服した。
俳優としての才能よりも、プロデューサーとしての才覚を認められ、「12 Years a Slave」で(製作者としてだったが)念願のオスカーを手にしたブラピは、俳優として一皮むけたようで、本作ではかなり小さな役で登場。一攫千金を狙う若者2人の兄貴分にブラピとは分からない容姿と声を使って扮し、押さえた演技で場面をさらっていた。
金融関係の専門用語が飛び交う本作は、劇中、観客が理解しやすいように分かり易く説明するシーンが何度か出てきた。セレーナ・ゴメスを使って、マネーゲームを解説する配慮もなされてはいるが、その手の情報やからくりに詳しくなければ、ついていくのに苦労するかもしれない。サブプライム住宅ローンで家を失った人々を描いた「99 Homes」と2本立てで観るといいかも?
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