「来日は、今回で5回目か6回目だった。でも、今回初めて、丸1日休みがあってね。母を同伴していたから、一緒に皇居に行ったり、神社にお参りしたりして、これまでで一番、日本を満喫した感じがしたよ。それに寿司ジャンキーの俺は、1日中寿司を食い続けることができるから、最高だった。今住んでいるフロリダのタンパでは美味しい寿司は滅多に食べられないしね」
筆者の故郷、山陰は友人の「刺身ジャンキー」一押しの魚の旨い地域だと言うと「ぜひ行かねば」と目を輝かせた。
レスラー人生で学んだこと
1999年にプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせたデイヴは、2014年までリングに上がっていた。俳優としては2006年頃から活動を開始しており、しばらくはプロレスラーと両立していた。レスラーとして得た経験のどんなところが俳優への転向を成功させたのだろう。
「WWE(World Wrestling Entertainment)で働いた経験で得たことで、その後もずっと持ち続けているのは、仕事に対する倫理観だよ。WWEでのレスラー生活は、簡単なものではなかった。ほかのスポーツ選手にあるようなオフシーズンというのがないから、年中全開で稼働していなければならなかった。そのため、タフさとプロ意識を鍛えられたよ。それにたくさんの人と渡り合う術も学んだ。それがまさに俺を自分の殻から外に出させてくれた。俺はものすごくシャイだったけど、プロレスはものすごく多くの人たちと交流しなければなかったからね。ロックと俺は違う道を歩んでいる。俺らは全然違うパフォーマーだし、彼のキャリアは俺とは全然違うレベル。俺が思うに、レスラーがどうのというよりは、パッションをどれだけ持っているかどうかだと思うんだ。彼も持っていたし、俺も持っている。俺たちは2人ともパッションを持って夢を追ったから成功したんだ」
50回受けて47回落ちた
オーディション
シャイだったデイヴが演技に目覚めたきっかけは何だったんだろう。
「友達に頼まれて映画に出て、演技に魅了されたんだ。取り憑かれたと言った方が近いかもね。自分がもの凄い大根役者だって分かって、なんとかマシになりたいと思ったのが最初だよ(笑)。そして、シャイな俺にとってはものすごくチャレンジなものだからこそ、演技をすることにすっかりはまってしまった。人前で演技することは、ものすごく恐ろしいことであると同時にものすごく愉快で満足感を覚えるんだ。オーディションは、これまで少なくとも50回は受けて、そのうち47回は落ちた。でもいいんだ。それが映画業界だって知っているからね。思い出深いオーディションは『Riddick』だよ。俺にとって最初の頃のオーディションだったんだけど、あまりにも緊張してしまったから、途中で退席して、建物の周りを走って緊張をほぐさなければならなかった。そして、また戻ってオーディションを続けた。そんな俺に理解を示してくれて、ヴィン・ディーゼル自身、俺が役を得られるようものすごくサポートしてくれたんだ」
デイヴの新作は話題作『Blade Runner 2049』だ。同作もオーディションだったと明かす。
「オーディションだけでなく、スクリーンテストもあったよ。プロデューサーは俺がその役にピッタリだと思ってくれたけど、監督はそうじゃなかったから、いくつかオーディションとスクリーンテストをして役を得た。役名はサッパー・モートンで、セリフがあるだけでなく、結構大きな役なんだ。今言えるのはそれだけだよ」
タフなイメージだが、話をしているとどことなく繊細な性格という印象を受けたデイヴ。『Guardians of the Galaxy Vol. 2』では、感情的なシーンもこなし、俳優としての幅を広げた。今後の躍進が楽しみだ。
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