L-1ブランケットプログラムに基づく
Lビザ保持者の滞在、就労期限について
その2

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

 2015年10月1日、アメリカ国務省は、Lビザ認証時にフォームI-129Sに記載される有効期間は、アメリカ移民局に対してLブランケットプログラムを通してではない個人ベースで申請したケースで移民法上認められる有効期間と同じとなることを示しました。つまりI-129Sに記載の期間が、法律上アメリカに滞在し就労できる期間である、と明確に基本方針を発表したのです。

 一方、アメリカ入国時に入国審査官により決定されるI-94上の有効期限について、入国審査官は、L-1ビザ査証の有効期限またI-129Sの有効期限に関わらず、アメリカ入国時から3年という一貫した滞在及び就労期限を設定してきました。公式な発表は行われていませんが、CBP(米国税関・国境警備局)はLブランケットプログラムを通して取得したLビザ保持者によるアメリカ入国に対し、この3年の滞在許可期間をとりやめ、新しいポリシーに基づいて有効期限を与えているようです。その新しいポリシーとは、アメリカ入国時、最大で3年の滞在及び就労期間を与えるというもので、次の条件を満たしていることを前提に決定されます。

 ● 必要なパスポート有効期間が残っている
 ● 有効期間が記載され、有効なフォームI-129Sを持っている
 ● 移民法上定められたLビザ期間(L-1B: 最大5年、L-1A:7年)を超えた滞在期限を与えない

 しかし、いまだにアメリカ入国審査官は一貫性のない滞在期限を決定しているとの報告が続いており、(1)入国時点から3年後、(2)I-129Sに記載の有効期限、(3)Lビザ査証に記載の有効期限(発行時から最大5年)、(4)パスポートの期限、など、多様です。

 最終的な入国を認めるのはいまだにCBPの入国審査官であり、移民局またアメリカ国務省の認証期間に関わらず就労及び滞在期限を最終決定するのもまたCBPの入国審査官による裁量ということにもなるわけです。しかしながら、今回の国務省による方針内容はCBPの現方針を取り入れたものであることから、今後は、今回の国務省による方針に従うべきでしょう。

 従って、I-129Sに記載の有効期間は移民法上定められた有効期間と一致するはずですので、その期間が合法的にアメリカでLビザ保持者として就労可能な期間となります。今後、アメリカ入国時にI-129Sの有効期限を超えたI-94の有効期限が与えられた場合、それは入国審査官による間違いであることを認識してください。

 このようなI-94の期限日が設定された場合、I-129Sの有効期限を越えた期間の就労は行えず、入国審査官の発行するI-94は信用すべきではないとのスタンスを当事務所ではとっています。I-129Sに記載の日付を優先してください。

 ここで、十分気をつけていただきたいことは、仮にI-94の期限が残っている状況でも、I-129Sの有効期限を迎える前に必ず何らかの形で、延長申請を行うということです。大きく分けて二つありますが、アメリカ国内であれば、アメリカ移民局を通して延長申請を行う、もしくはアメリカ国外のアメリカ大使館、領事館にて新たなビザ査証とともに新たな有効期間が記載されたI-129Sを入手するという申請方法がありますので、I-129Sの有効期間についてはしっかりと覚えておくようにしてください。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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