米国労働省と米国国土安全保障省、雇用ベースのビザの賃金要件とH-1Bビザ申請の規制基準に関する新規規則を発表

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

米国労働省および米国国土安全保障省は、雇用ベースのビザの賃金要件とH-1Bビザ申請を裁定するための規制基準を変更する暫定の新規規則の2項目を発表しました 。

はじめに、第1項目目の賃金条件の変更に関する新規規則は、2020年10月8日から新規と申請中の賃金判定の両方に適用されます。加えて、第2項目目のH-1Bビザの新規規則は、60日後となる2020年12月7日からの適用となり、同日またはその後に申請された新規の申請書が対象となります。なお、すでに申請済みで現在審査中の申請書の判定においては、現在の規則に基づいて審査されるということです。

したがって、これらの変更点は行政手続法で定められている標準評価(Standard Review)と意見聴取期間(Comment Period)を経ない形で、労働省と国土安全保障省によって施行されることを意味します。 米国労働省および米国国土安全保障省は、行政審査の要件を無視し、経済的な大変動に伴うパンデミックに即時に対応する必要性を強調することで、当規則の変更を正当化しようとしているのでしょう。これらの変更の最大の目的は、米国人労働者を保護すること、またH-1Bビザプログラム設定に至る歴史的およびH-B本来の法定的な主目的と一致させることのようです。

永住権ベースおよび一時的な雇用ベースのビザ申請に必要な一般賃金率の引き上げについて

労働省は、一般賃金決定(Prevailing Wage Determination:通称PWD)または労働条件申請(LCA)を必要とする、永住権ベースおよび一時的な雇用ベースのビザ申請の両方に必要な一般賃金率を引き上げています。これらのビザの場合、労働省は、特定の地域における特定の職業の賃金に関する調査に基づいて、「賃金レベル」を4つの層に分けています。

H-1Bビザの専門職(および雇用者と従業員の関係)の定義の変更について

2つ目の新規則が発表されたことにより、移民局の「専門職」に関する規制上の定義にもいくつか重要な変更が加わっています。この規則は、主に情報技術(IT)職員、および第3機関での労働派遣社員の配置を対象としています。この規則によると、2019年に認可されたH-1Bビザ申請の56%が「IT業界関連」であったのに対し、2004年にはわずか32%でした。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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