L-1ビザの就労(滞在)期限と
ビザスタンプの期限について

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

59845496d0242ff6c266d20aad9a08b6_s

 日本から駐在としてアメリカにて就労している人の多くはL-1ビザを取得します。最近、弊社でも問い合わせを受けるのですが、ビザスタンプの期限が就労(滞在)期限であると勘違いしている方が多くいます。

 例えば、アメリカ移民局を通して新規に3年有効なL-1の認可を受けたとします。その認可を受けて、ビザスタンプ取得のため、在外アメリカ大使館、領事館で面接を受けるわけですが、現在、アメリカ大使館では、移民局の認可期間が3年であるにもかかわらず、5年有効なビザスタンプを発行します。その場合、ビザスタンプをよく確認すると右下にPEDという日付があり、この日付が移民局認可の期限日と一致するはずです。つまり、この日付が、アメリカでの就労及び滞在期限となるわけです。

 加えて言えば、このケースを例にとると、それ以降のアメリカでの就労、雇用については、有効なビザスタンプがある一方で、PEDまでに新たに移民局へ延長申請を行うなど必要があるという訳です。それにもかかわらず、5年有効なビザスタンプがあれば、PED以降も更なる延長申請の認可なく、L-1保持者としてのアメリカ入国が可能と思い込んでしまう恐れがありますので、注意が必要です。

 あくまでもLビザスタンプはアメリカに入国する際に有効であるべき通行手形のようなもので、状況によっては確実に滞在を許可するものではなく、PEDが有効である、また有効なアメリカ移民局からの認可証をセットで示すなどの心得が必要となります。

 PEDの日付は一見すると見逃しがちですが、非常に重要な日付です。また、入国の度毎にI-94の情報をオンラインからも入手し、ご自身のアメリカ滞在期限を確認することも重要です。これらの違いを気づかずにアメリカに入国し、そのまま不法滞在となってしまうということもありますので、Lビザを保持している人は、一度ご自身のビザスタンプとI-94の滞在期限を確認するようにしてください。これらは家族のL-2ビザにも同様に適用されます。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2024年10月4日

    大谷翔平選手の挑戦
    メジャーリーグ、野球ボール 8月23日、ロサンゼルスのドジャース球場は熱狂に包まれた。5万人...
  2. カナダのノバスコシア州に位置する「ジョギンズの化石崖群」には、約3 億5,000 万年前...
  3. 世界のゼロ・ウェイスト 私たち人類が一つしかないこの地球で安定して暮らし続けていくた...
  4. 2024年8月12日

    異文化同居
    Pepper ニューヨーク同様に、ここロサンゼルスも移民が人口の高い割合を占めているだろうと...
  5. 2024年6月14日、ニナが通うUCの卒業式が開催された。ニナは高校の頃の友人数名との旅行...
  6. ラブラドール半島のベルアイル海峡沿岸に位置するレッドベイには、16世紀に繁栄したバスク人による捕鯨...
  7. フェムケアの最新事情 Femcare(フェムケア)とは「Feminine」と「Car...
  8. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
ページ上部へ戻る