心の病 相談室

Q.2 うつ病だと分かったら、どのような治療を受けることになるのですか?A.2 うつは心のバランスをつかさどるために重要な神経伝達物質が不十分になる状態であり、なまけ病ではありません。大切なのは十分な休養をとり、治療に専念できる環境作りです。ただしケースにより治療法が異なるので、専門家に相談しましょう。

回答者:ひつもとみわ先生

精神療法の一つとしては認知行動療法が一般的です。これはその人の考え方の癖を見つけて、適応的思考に変換するものです。グラスに半分入っている水を見た場合、「もう半分しかない」と思うか、それとも「まだ半分ある」と思うかはその人の考え方の癖によるものです。つまり、同じものを見てもネガティブにとらえるか、ポジティブに受け止めるかによって、気分とは変わるものなのです。

このように、ネガティブになっている考え方をポジティブに転換させることによって、うつ状態を脱する治療法が用いられます。うつの根源が幼少期のトラウマといった深いものでない場合には比較的短期の治療で終わる場合も多いです。しかし、診断を通じて、その根が深いことが分かった場合には何年前にもさかのぼってトラウマを突き止め、それに対処する治療が行われるため、長期におよぶこともあります。

日本と比べ、アメリカでは医療保険適用もでき比較的気軽にカウンセリングを受けることができるため、「まだ大丈夫」と自己判断せずに専門知識を持った臨床心理士に連絡を取るのも良いかと思います。もちろん自身でストレスマネジメントに気をつけ、普段からストレスを溜めず、たとえば、ジムに行ったり、交友範囲を広げて活動したりと、自分でできるちょっとした工夫も大切だと思います。

Q.3 不眠症に陥った場合、どうしたらいいでしょう?自分で改善することはできますか?A.3 眠るという気持ちを自然に誘い、心身ともに習慣と関連付けさせることが安眠への第一歩です。

回答者:ひつもとみわ先生

ベッドに入り眠れない時は床から出るのが鉄則

「パブロフの犬」のように、鐘が鳴った時に犬へエサを与えるようにすると、その犬は鐘の音を聞いただけでよだれを垂らすようになったという条件反射の話と同じく安眠には「ベッド」を見れば「眠くなる」という関連付けが必要です。よく眠れる人の頭の中では、ベッドや寝る時間帯と睡眠が関係あるものとして認識されています。このような人は、床に入ることや決まった時間が条件となって、反射として眠りが誘発されます。反対に不眠に苛まれる人は、ベッドが眠れない場所として関連付けられているわけですから、まずは寝られなければ直ちに寝室を出てその関連付けを外すような行動が大切です。リビングルームで眠気を誘うような音楽を聴いたり、本を読んだりしましょう。ただし、ゲームやインターネットは神経が興奮してしまうのでよくありません。そして眠くなってからベッドに移動します。ベッドで眠れないようなら、このステップを繰り返します。

寝酒、タバコ、カフェインによる安眠妨害

特に寝酒は不眠症の改善どころか、健康を害する、「百害あって一利なし」です。眠れないので寝酒を飲む行動は実は逆効果です。科学的にも、酔った状態での睡眠は、深い眠り(ノンレム睡眠)を減少させ、アルコールの血中濃度が下がる時に、目覚めやすくなると証明されています。タバコもカフェインも一見リラックス効果を得ているように思えますが、実は安眠の妨げにつながります。たとえばカフェインの場合は寝る前だけでなく、日中から習慣的に飲んで身体に蓄積してしまうと、夜間になっても抜けません。特に不眠で悩まされている方はのどが渇いた時は、水かノンカフェイン飲料に変えてみるのも良いかもしれません。

「寝ないと大変なことになる」と思わない

「寝なければいけない」と自分を追い込むことで反対に眠りにつけず辛い思いをした経験はありませんか? 人間は「〜しなくてはいけない」ということに対して異常な緊張感を持つため、そう感じれば感じるほど交感神経が活発になり、アドレナリンが分泌され、ますます脳内が活性化してしまいます。そこでお勧めしたいのは「眠れない時は寝ない」と考えることです。開き直りも時には大切です。実際、一晩ぐらい寝なくても人は死にません。と考えることで緊張がほぐれ自然に眠れたりするものです。もし翌日長距離運転があり、居眠りで事故を起こすのが怖いのなら「誰かに代わってもらおう」と考えれば気が楽になりますが、「絶対自分が運転しなければ迷惑をかけてしまう!」と考える真面目な人に不眠症は多いのが実情なのです。

他にも自分でできる睡眠対策としては、適度な運動や朝起きて日光を浴びたり、サプリを摂ったりと色々とあるのですが、やはり悩み事がある時は私もそうですが、なかなか寝付けないですよね。そんな時は「こんなことを人に話しても解決できないんだから」と思わずパートナーや友だちに話してみることで気が楽になる場合もあると思います。うつも不安も不眠症も、とにかく辛い時は自分だけで抱え込まず、まずは話すことから始めるのも良いかと思います。

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