H-1Bビザの審査状況(その3)

文/デビッド・シンデル(Text by David Sindell)

新政権のもと、ビザ申請審査が非常に厳しくなっており、H-1Bビザも例外ではありません。更にH-1B申請はプレミアム申請(審査が15日以内に行われる特急申請)が使えないなど不便な状況が続いていました。一方、明るい話題として、H-1B申請はプレミアム申請について、徐々に再開に向かっています。

今年4月以降のH-1B申請については、プレミアム申請ができない状況が続いていました。しかし、日本人の多くが該当する申請カテゴリーでは、今年4月に受付開始され、抽選となった全新規(2018年度)H-1B申請に対し、9月18日よりプレミアム申請へのアップグレードが可能となりました。更に、米国弁護士協会の報告では、まだ正式ではないものの、10月3日までには延長や転職も含むすべてのH-1B申請でプレミアム申請が再開となる見通しです。この記事が読まれている頃には正式となっていることでしょう。

このプレミアム申請の再開を受け、早々にH-1Bの結果を知りたかった方にとっては朗報といえるでしょう。運転免許証やその他資格更新など正式な滞在許可や認可が必要な方は、アップグレードを望むところでしょう。

ただ一方で、現在の厳しい審査状況を念頭におく必要があります。プレムアム申請に切り替えれば早く認可を得られるという利点もありますが、現状では大変内容の厳しい質問状が発行される可能性がこれまで以上に考えられます。前々回の記事でも触れ、また次回の記事でも引き続き紹介しますが、これまでにはない質問状が多発している現状があります。プレミアム申請にアップグレードする場合は、最新の移民局による審査傾向のもと、タイミングなど、より戦略的に対応することが望ましいでしょう。

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デビッド・シンデル (David Sindell)

デビッド・シンデル (David Sindell)

ライタープロフィール

NY州およびNJ州弁護士資格。外国法事務弁護士(外弁)として東京第2弁護士会所属。アメリカ移民法弁護士協会所属。日本語、フランス語に堪能。

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