NYからハワイまで
不動産購入&投資事情
- 2017年11月1日
- 2017年11月号掲載
アメリカのホームオーナーは7年ごとに住居の転売を繰り返すといわれる。日本のように「生涯の家」ではなく、不動産市況を見て、売り時と買い時を見極めて利益を出すのだ。さらには自分が住まずに、貸し出して将来的に売却するための投資用物件を所有する人も少なくない。そこで全米の不動産の状況は今どうなっているのか、地域ごとにスペシャリストに聞いた。住居の購入、投資の参考にしてほしい。

©Home Brand Properties, Inc.
New York
マンハッタンに近い順に価格上昇
クイーンズとブルックリンに動き
●不動産の状況や今後の見込みは?

Relo Redac,Inc.
住宅部門
バイスプレジデント
川上恵里子さん
ニューヨーク市の不動産市況は、マンハッタン内がやや落ち着きを見せ始めたのに比べ、ブルックリンやクイーンズは大型開発が続いた影響で活発な動きを示しています。物件鑑定会社Miller Samuelによると、2017年上半期、マンハッタンの中間価格は昨年同時期比2.2%上昇、取引件数は7.7%上昇と緩やかな伸びを示しました。一方ブルックリンは中間価格18.5%上昇、取引件数48.6%上昇、クイーンズは中間価格14.6%上昇、取引件数は37.6%上昇しました。特にマンハッタンに近く交通アクセスの良い地域から順に価格上昇が見られました。マンハッタンの周辺地域の開発は今後もさらに進むため、新築、築浅コンドをクイーンズやブルックリンで手頃な価格で購入できるチャンス。マンハッタンならQラインが出来て利便性が増したアッパーイーストのファースト・アベニュー、ヨーク・アベニュー近辺が狙い目です。郊外ウエストチェスターの一戸建て市場は、中間価格が前年比3.1%上昇、取引件数が2%上昇し、安定的に推移。学区が良いわりに価格が手頃なイーストチェスターは活発な市場が続いています。手頃な価格で物件を購入するならエリアを広げてみましょう。
●不動産購入時のアドバイスをお願いします。
①物件見学の前にまずは銀行で融資可能額を確認して予算を決定すること。②見学前から物件検索サイトで相場観を身につけるとよい物件が出た時に即断できます。③物件選びは本質を見ること。本質とはロケーションや眺めなど変えられない要素。特に郊外は学区が最重要です。 ④価格が少々安くても管理費や固定資産税が法外に高い物件は毎月の住宅コストが膨らみ、売却時も値段が伸びません。⑤信頼できる不動産エージェントを上手に使いましょう。日本と違って購入時に手数料はかかりません。

1ベッドルーム 中古物件$800,000~、新築物件$1,500,000〜
★ クイーンズ、ブルックリン
新築、築浅1ベッドルーム $650,000〜
★ ニューヨーク郊外ウエストチェスター
3ベッドルーム 一戸建て $650,000〜1,000,000
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