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【ニューヨーク不動産最前線】
コンドミニアムとコープの違い
- 2018年1月22日
初めまして。ニューヨークはマンハッタンで住宅ブローカーを始めて20年以上経ちました。この町は常に進化していて住宅の需要もどんどん変化しています。去年の常識が今年は的外れになっていたりするのも興味深いところです。今年はどんな年になるのか、みなさんと一緒に楽しんでいければと思います。
さて、日本人にもおなじみのコンドミニアム。ほとんどの方はマンハッタンで見る高層の集合住宅ビルをコンドミニアムだと思っているかもしれません。実はマンハッタンの住宅のうち、8割近くの物件がコープなのです。そもそもコンドミニアムとコープはどう違うのでしょうか。今日はその違いをお話ししたいと思います。
建物の不動産を区分所有するコンドミニアム
コンドミニアム(略:コンド)は、基本的には日本の分譲マンションと同じなので分かりやすいですね。建物の区分所有です。各部屋のオーナーのなかからコンドを代表するボードメンバーを選挙で選びます。150人〜数百人とコンドの規模はさまざまですが、ボードメンバーはだいたい5〜7人というところが多いです。
日本のように持ち回りではなく、毎年選挙で選ばれます。そしてボードが選定する管理会社にビル運営の実務を委託します。ボードは完全にボランティアですが、管理会社はコンドと管理契約を結び、管理費の徴収をはじめさまざまな日常業務を代行します。オーナーが部屋を賃貸したい時、ビルによるテナントの入居審査が必ずありますが、この第一次審査も管理会社が行います。
建物の株を区分所有するコープ
一方コープは、その名前が示す通りコーポレーション(組織)です。建物自体はコープが所有者(オーナー)で、世間でコープのオーナーだと言っているのは実はコープの株の区分所有者ということになります。コープを買うのは、コンドミニアムのように不動産を買うのではなく、コープの株を買って特定のユニットの占有居住権を手に入れることになります。したがって所有者のみが居住する権利があって、賃貸は禁止というコープが多いのです。
コープもやはりオーナーのなかからボードメンバーを選挙で決めて、ビルの運営を管理会社に委託するという仕組みは同じです。でも、もうお分かりのように、コープオーナーというのは自分が居住するユニットだけではなく、建物全体を所有する会社の一員でもあるわけで、コンドのオーナーとは気合いの入り方が違います。コープの入居審査が厳しかったり、いろんな入居規制を設けていたりするのは、少しでもコープの価値を上げようと努力しているのですね。
たまに、気合いが入りすぎて空回りしているコープもありますが、これは会社も同じですね。余談ですが、ボードメンバーはボランティアにもかかわらず、膨大な仕事があります。自分たちのコミュニティを良くするためにと仕事を買って出てくれる人々には頭が下がります。
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