第70回 大学選びのステップ

文&写真/福田恵子(Text and photo by Keiko Fukuda)

5月のある日、ニナが帰宅早々、こう言った。「今日のランチタイム、高校でカレッジフェアがあったの。ジュニアの子たちは一生懸命、資料集めていたよ」。ジュニアにとって5月は確かに大学選びの正念場のはず。SATの受験も始まっている。あと1カ月でソフォモアが終了するニナは、ミシガン州立大と、聞いたことがないプライベートの大学の資料を持ち帰っていた。「なぜ、この大学の資料をもらったの?」と聞くと、「だって、学科がたくさんあるから」と即答。しかし、問題は何を専攻するのか? ということだ。少し前は建築に興味を示していたが、最近はその希望も怪しくなってきた。それでもSTEMを専攻するのは、間違いはなさそうだ。

高校でのカレッジフェアについては、「UC(UCLAやUCバークレーをはじめとするカリフォルニア大学)のブースがないから、皆、役に立たないって文句言っていた」らしい。それに対しては「UCはカリフォルニアの学生は宣伝しなくても志願するから、わざわざフェアには出てこないんじゃないの? それより州外の学生からは高い学費が取れるから、他の州の大学の方が(宣伝には)積極的だと思うよ」と言ってみたところ、ニナは「そういうことなの? そういえば、ハワイ大学とアリゾナ大学のブースは出てた。ハワイはいいかもしれないけど、アリゾナは暑そうだね」と、これまた、本筋とは関係ない感想を口にした。

2年か4年、公立か私立

こうして、まだ志望大学がはっきりしていないニナだが、実際に志望校選びはどのようなステップを踏むべきなのだろうか? そこで「How to choose collages」でネット検索してみた。

その中でステップごとの説明が分かりやすかったのが、bigfuture.collageboard.orgというサイト。それによると、最初のステップは「大学の種類」だ。2年制か4年制か、ということ。そして、公立か私立か。年数については、多くの人が言うのが、「学費が安い2年制のコミュニティカレッジに進んで、3年目から4年制に編入すると経済的。しかもアメリカでは最終学歴のみが注目されるので、最初に2年制に進学したとしても問題はない」ということ。しかし、個人的には途中で環境が変わるよりも最初から4年制に入学する方がいいのではないかと思っている。そして、公立か私立かに関しては、一般的に私立の方が学費が高いというイメージがあるが、奨学金が提供される場合は私立の方が逆に安くなることも。

次のステップは「ロケーション」だ。同サイトによると、「どのくらい実家に近い場所がいいのか? 週末に実家に帰りたい? もしくは長期休みのみ?」「新しいことに挑戦したいタイプ? それとも慣れ親しんだ環境が居心地いいタイプ?」「実家から離れる際に、どれだけの費用をかけられる?」といった問いかけをすることで、どれくらい離れた場所で学ぶのが自分に合っているのか、また現実的かが明らかになるとか。これ以外に、以前に「STEM専攻の勧め」的な講演会の話で、強く印象に残っていることがある。講師は、「コンピュータエンジニアを専攻するならシリコンバレーの大学に進学すべきだ」と強調していた。つまり学生時代にIT企業でのインターンを開始することで、そこに就職できるチャンスに恵まれる。インターンは結局、大学に近い場所にある企業に行く学生が多いから、ということだ。また、友人の息子がカリフォルニアの田園地帯にある大学からニューヨークのコロンビア大学のロースクールに転校した時も、「法曹界の中心であるニューヨークで学べば就職のチャンスが広がるから」と話していた。

そして、同サイトでの大学選びのステップは「キャンパスの規模」「費用」「専攻」「学習環境」と続く。まずはこのサイトをニナに知らせるとともに、高校のカウンセラーに相談しに行くように進言しなければ。準備は早くからしておくに越したことはない。というか、むしろ、もう早いとは言えない時期に突入している。

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福田恵子 (Keiko Fukuda)

福田恵子 (Keiko Fukuda)

ライタープロフィール

東京の情報出版社勤務を経て1992年渡米。同年より在米日本語雑誌の編集職を2003年まで務める。独立してフリーライターとなってからは、人物インタビュー、アメリカ事情を中心に日米の雑誌に寄稿。執筆業の他にもコーディネーション、翻訳、ローカライゼーション、市場調査、在米日系企業の広報のアウトソーシングなどを手掛けながら母親業にも奮闘中。モットーは入社式で女性取締役のスピーチにあった「ビジネスにマイペースは許されない」。慌ただしく東奔西走する日々を続け、気づけば業界経験30年。

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