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Globizz Corp./ 春山貴広氏
アメリカのビジネスは、今
- 2018年7月26日
今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。
FDA申請・登録コンサルティング、米国規制対応を手がけるGlobizz Corp.の春山貴広さんに話を聞いた。
ビジネスの詳細
弊社は医療機器、医薬品、食品、化粧品、動物飼料など規制のあるビジネスのアメリカでのサポートを行っていおり、FDA (Food and Drug Administration)日本でいう厚生労働省や、アメリカの環境省であるEPA(United States Environmental Protection Agency)への認可申請のお手伝いをしております。今までは製品を中心に手がけていたのですが、現在は原材料なども扱っております。
弊社のお客様の7割は医療機器メーカです。医療機器は安全性の証明をする必要があり、認可申請がとても複雑です。日英の言葉の問題だけでなく、政府との交渉をする必要があるため、FDAの考え方を踏まえた上で進めていく必要があります。弊社の社員の多くはアメリカで専門性の高い教育を受けており、専門用語を理解して英語で交渉ができ、かつクライアントの日系企業には日本語でフィードバックできます。この万全の体制で日系企業をサポートを行っています。
アメリカでの創業
Globizz Corp.を創業する前は、私は駐在員としてドバイ、ニューヨーク、ロサンゼルスと13年間海外で生活していました。その中で、日本の医療機器メーカーとのアメリカでの合弁事業や、日系の企業で医療機器の開発に携わっており、アメリカで医療機器を売ること難しさを実体験していました。独立する際に、このアメリカでの知識と経験を活かし自分にしかできないもので人の役に立ちたいと思い、2005年にビジネスを立ち上げました。
創業当初は、お客様はゼロでしたね。というのも、「お世話になった会社の競合になるようなことは1ミリもしない」と独立した時に決めていましたので、全く新しいところからクライントを作らなくてはいけなかったわけです。といっても生活していかなくてはいけないので、必死でしたね。(笑)
日米の違い
医療機器に関する規制での大きな違いは、認可を与える政府の考え方ではないでしょうか。日本の厚生労働省の場合、何か問題が発生した時は認可を与えた立場として比較的責任を負ってくれる。しかし、アメリカのFDAの場合は企業活動の中で起きた事象は企業の責任という考え方なんです。日本での申請は、全て規定の書類を丁寧に作成することが重要ですが、アメリカは交渉が非常に大切になってきます。
医療機器は市場に出るまでに平均で6年かかると言われています。費用も時間もかかり失敗が許されないシビアな世界ですので、FDAの考え方を熟知した者が加わることのメリットは大きいですね。
進出希望者へのアドバイス
多くの日本企業は、製品を作ることに関して非常に関心が高いのですが、お金儲けに執着心がないんです。私が日本でセミナーを行う際は「お金儲けしてください」と必ず言っています。というのも、お金儲けをするには、人に喜ばれなくてはいけない、良いものを作らなくてはいけない、かつ、続けられなくてはいけないからです。儲からないが世の中に出た!というのはビジネスの世界では美談にはなりません。
例えば、「人の命を助けたい」という信念があり医療機器の製造を行ったとしても、1回だけの成果では困りますよね。続けてこそ意味がある。続けるためには儲からないといけないんです。良いものを作ると同じだけ、どうしたら儲かるかも考える必要があります。お金の話を先にするのが良いとされていない文化もあるので、そこが日本人の最も弱い部分だと私は感じています。
今後の展望
「人の役に立つ」という理念に変化はありませんが、さらに大きな貢献をしていきたいですね。そのためには会社自体のサイズを大きくしないといけません。パートーナーを探したり、株式を公開したり、他国への展開など、たくさん構想が頭の中に浮かんでいます。さらに大きく飛躍したいです。
■ホームページ:www.globizz.net
■電話:+1-310-538-3860
■住所:1411 W.190th St., Toyota Plaza #200, Gardena, California 90248, U.S.A
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